米連邦取引委、アマゾンを独禁法違反の疑いで提訴

米連邦取引委、アマゾンを独禁法違反の疑いで提訴

ネット通販で出品者への高額な手数料など問題視

公正な取引の監督・監視を担う米連邦取引委員会(FTC)は9月26日、米アマゾン・ドット・コムが中核のインターネット通販で圧倒的な大手企業としての優越的地位を乱用しているとして、反トラスト法(独占禁止法に相当)に違反した疑いで同社をシアトルの連邦裁判所に提訴したと発表した。

FTCはアマゾンがネット通販に出店している販売事業者に対し、高額の手数料を科していたり、競合のネット通販サービスで商品を安く販売した場合、アマゾンのサイトでユーザーがその商品が検索しても結果を上位に表示しないようにしているなどと主張。「アマゾンの違法かつ排他的な行為で競合他社が(事業の)足場を築けなくなっている」との見方を示した。

さらに、ユーザーが安く商品を購入する権利を奪っているとの見解も明らかにした。

提訴については、ニューヨーク州やミネソタ州、ニュージャージー州など17の州司法長官も共同で参加している。

FTCのリナ・カーン委員長は声明を出し、「(提訴で)アマゾンに対し、こうした独占的行為の責任を追及し、失われた自由で公正な競争の約束を回復するよう求めている」と強調した。

FTCは今年6月にも、アマゾンが不適切な手法で消費者を有料会員サービス「アマゾンプライム」に勧誘、加入させたとして、対応を見直すよう提訴していた。連邦裁判所がFTCの主張を認めれば、アマゾンのネット通販事業に大きな影響が出る見通し。

(藤原秀行)

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