日本出版販売、埼玉・新座のCRE物流施設にロボットなど導入の新物流拠点を来秋開設へ

日本出版販売、埼玉・新座のCRE物流施設にロボットなど導入の新物流拠点を来秋開設へ

グループ共通の新WMSも、「物流再編プログラム」の第1弾と位置付け

日本出版販売は10月12日、今年8月に「物流再編プログラム」の第1弾として、2024年秋にロボットや新たなWMS(倉庫管理システム)などを活用しオペレーションを高度化する新たな物流拠点を埼玉県新座市に開設すると発表した。

新拠点は延床面積7670坪を計画。文具雑貨商品などの保管と仕分け・出荷に加え、他社の物流業務を受託する3PLにも活用する。シーアールイー(CRE)開発の物流施設を利用する予定。


新拠点のイメージ(日本出版販売提供)

新拠点は書店の売り場展開に合わせた文具・雑貨商品などの出荷拠点を拡張し、保管・仕分け・出荷などの物流機能を効率化。棚搬送型ロボット(GTP)などのロボティクスを先行的に導入し、商品ピッキング作業の生産性を現状に比べて約3倍に向上させることを目標に掲げる。

同時に、庫内を歩く距離をできる限り少なくするなど、作業者の身体的負担を軽減する。

今後グループ共通となる新しいWMSを新拠点から導入。業務フローを標準化し、さまざまな状況に応じた物流サービスの提供を効率良く実現する。

新拠点の半径3km圏内に日販グループの拠点が4つ集積し、延べ1万7000坪余りの作業拠点が集中する。拠点間輸送などの輸送距離を短縮するとともに、繁閑に合わせた作業スペース、人員の融通などが可能になると見込む。近隣には出版社の倉庫も多く隣接しており、既に将来の物流連携の検討を始めているという。

新拠点は、法令で定められた耐火性能を有するのに加え、耐震性や強度、遮熱性、遮音性も強化。構内に災害用備蓄品を常設し、地震や台風といった災害が発生した時には構内の従業員に加えて近隣住民への支援を行うことも想定している。

新拠点で採用するロボティクスや倉庫管理システムを、この先5年程度をめどに順次、他のグループ物流拠点にも展開し、物流機能を整理・統合していく計画。業務の効率化、コスト低減をさらに図るとともに、経年劣化が進む出版流通を、高度化された物流へと進化させる考えだ。

並行して様々な企業とのアライアンスを志向し、日本政府が提唱するフィジカルインターネットの実現にも対応できる、しなやかで柔軟な物流へ脱却していくことを目指す。

新拠点の概要
名称(仮):2024年度 新拠点(名称は今後発表)
所在地:埼玉県新座市中野1丁目13-20
延床面積:7,670坪
稼働予定:2024年10月より順次
主要業務:文具雑貨商品等の保管および仕分け・出荷、出版社からの物流受託事業の拡張、他社からの物流業務受託(3PL)

(藤原秀行)

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