ヤマトがDM配送・仕分けなど業務契約終了で対応状況公表、パート従業員は社内で再配置提案と説明

ヤマトがDM配送・仕分けなど業務契約終了で対応状況公表、パート従業員は社内で再配置提案と説明

就業支援サイト運営など取り組みを強調

ヤマトホールディングス(HD)は10月31日、日本郵政グループとの協業強化に向け、ヤマトが取り扱ってきたダイレクトメールやカタログなどを配送する「クロネコDM便」と、ポストに入る小型の荷物を送る「ネコポス」の配達業務を全て日本郵便に移管するのに伴い、個人事業主(クロネコメイト)との業務委託契約を2024年1月末で終了する方針を打ち出していることなどに関して、対応状況を公表した。

契約を終了する全国のクロネコメイト約2万5000人に対しては、既に公表している通り、契約年数に応じて3万~7万円の謝礼金を支払う旨を個別に伝えているほか、支援サイトを10月に立ち上げ、新たな業務獲得を後押ししていると説明。10月末時点で5万件超の求人情報が提供され、クロネコメイトも活用していると強調した。

また、全国の仕分けターミナルや営業所などで、クロネコDM便の仕分け業務などに従事しているパート社員約4000人に対しても、当該業務の雇用契約を終了する旨を案内していることを明らかにした上で、24年1月31日付で退社となるパート社員には約3カ月分の賃金相当額の慰労金を支払うことや、年次有給休暇の残日数を買い上げることを個別に伝えていると明らかにした。同時に、社内で別の業務を担う部門への再配置を提案、意向を確認しており、11月末までをめどに全ての対象者と面談する考えを示した。

ヤマトの方針をめぐっては、全日本建設交運一般労働組合(建交労)軽貨物ユニオンが、クロネコメイトの契約終了撤回を求める方針を表明。併せて、各地でパート社員がヤマト側に契約終了撤回を要求するなど反発が広がっており、対応状況を公表することで自社の姿勢を理解してもらいたいとの狙いがあるとみられる。

ヤマトによれば、当該のパート社員向けに、10月10日に再就職支援の支援サイトを開設。企業から5万件以上の求人情報が寄せられているという。

また、全国で269に上る共同作業所などの障がい者支援団体と、「クロネコDM便配達事業」に係る業務委託契約を締結し、クロネコDM便の配達業務などを委託していることについては、日本郵政グループで配達業務継続を希望する団体に関し、日本郵便で移管する業務内容の精査を進めていると解説。11月末をめどに、移管する業務内容を団体ごとに決定する予定という。

ヤマトは「当該業務を支えていただいている全ての皆様にあらためて心から感謝を申し上げるとともに、会社として可能な限りの支援を継続する」とコメントしている。

(藤原秀行)

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