「イノベーション戦略2025」公表
沖電気工業(OKI)は11月16日、「中期経営計画2025」における将来事業創出戦略の1つを占める「全員参加型イノベーション」を具体化した「イノベーション戦略2025」を策定したと発表しt。
「高度遠隔運用」「物流」「ヘルスケア・医療」「CFB(異なった半導体材料を分子間力のみで接合し、電子デバイスの性能を飛躍的に向上させるOKIの独自技術)」の4領域をイノベーション注力領域と設定して事業化・事業拡大にチャレンジする。
OKI創業150周年を迎える2031年をターゲットに据え、500億円以上の事業創出を目指す。
併せて、2017年から構築を進めてきた、ISO56002ベースのイノベーション促進のためのマネジメントシステム(IMS)を本格的に運用し、会社全体のイノベーション意識を高め、「価値を創造し続ける企業風土への変革」を図る。
4つの注力領域は、2031年には市場規模がそれぞれ数兆円規模に成長することが見込まれ、いずれもOKIが強みとする「リアルタイムな双方向処理」と「高品位なネットワーク接続」が活かせる領域と判断。データ活用ビジネスの普及によって、今後は複数の業務や分野を横断した、点から面へと新たな価値を生むビジネスが重要になると見込む。
物流の領域では、既に物流会社とタッグを組み、効率的な配送ルートをAIで策定するシステムを開発しており、輸送の効率化を後押しする。
OKIはこれまで培ってきたエッジでの技術を駆使し、さまざまな現場から生み出される多様なデータを「エッジプラットフォーム」でつなぎ、横断的に活用することで、特定の現場の課題解決にとどまらず、社会全体の強靭化・効率化に貢献することを念頭に置いている。
企業風土の変革のため、17年から構築を進めてきたIMS「Yume Pro」を全社規程に落とし込み、今年8月に本格運用を開始した。新規事業や研究開発など一部の部門だけでなく、グループの全社員を対象とする「全員参加型」を特徴としている。
本格運用に伴い、これまで推進してきたイノベーション人材育成や、大賞アイデアに総額1億円の事業化資金を提供するビジネスコンテストなどの取り組みをさらに強化するとともに、IMSと品質マネジメントシステム(QMS)との円滑な連携を進め、全ての社員が意志を持って「社会の大丈夫をつくっていく。」イノベーションにチャレンジする企業風土を実現することを想定している。
(藤原秀行)