【独自取材、動画】GROUND、物流ロボットのシェアリングサービス展開へ

【独自取材、動画】GROUND、物流ロボットのシェアリングサービス展開へ

今秋に新製品本格稼働、ピッキング作業を大幅効率化

物流ロボット開発などを手掛けるスタートアップ企業のGROUNDはこのほど、千葉県市川市の物流施設「DPL市川」内にある同社R&D(研究開発)センター「playGROUND(プレイグラウンド)」で、開発を進めている物流ロボットの最新モデルを公開した。

ロボットは物流センター内を自律走行し、ピッキングする商品が収められた棚の前で自動的に停止、ランプで知らせる仕組み。庫内作業のスタッフはロボットが待機している位置へ向かい、その都度ディスプレーの案内に従って商品を棚から取り出し、スキャンしてコンテナに詰めていく。


物流ロボットの最新モデル

同社はスタッフがロボットを追従して歩き回る必要がなく、止まっているロボットの場所に適宜向かえばいいため、より効率的にピッキングを行うことが可能で作業の生産性向上につながると見込む。

今秋にアパレルメーカーの倉庫で導入、本格稼働する見通しだ。当初は販売のみだが、今後はレンタルも開始。2020年をめどにロボットを実際に使った分だけ料金を支払う従量課金制を設定し、異なるテナント企業同士でシェアリングすることも可能にして顧客のニーズにより柔軟に対応できる体制を構築。普及を加速させていくことを検討している。



大人の早歩きほどのスピード可能に

ロボットは「AMR(Autonomous Mobile Robot)」と呼ばれる、物流センター内を自律走行するタイプ。新型モデルは4月15~19日の期間限定で通常よりもR&Dセンターを約10倍の1000平方メートル規模に拡張し、標準的な庫内を模した空間を作って実際にデモ走行を実施、来場者に公開した。


物流センター内を模したスペース

ユーザーのWMS(庫内管理システム)データを基に、ピッキングする商品の位置を正確に把握し、目的の場所まで移動。経験の浅いスタッフでもロボットに従えばスムーズに作業を進められるよう配慮している。

ロボット自身が棚の位置を学習するため、導入に際して庫内のレイアウトを大幅に変更したり、ガイドレールを設置したり、床荷重を増強したりする手間を省けるのが大きな強みだ。GROUNDは大手企業だけでなく、中小のeコマース事業者や3PL事業者らにとってもロボット導入のメリットは大きいとみている。

現状では高さ約1・4メートル、移動は最高で秒速約1・2メートルと大人の早歩きくらいのスピードを出すことが可能。今年1月に東京・有明で開かれた「スマート工場EXPO」に出展したモデルからさらに改良を加え、車輪の材質を見直して走行音をより低減させたり、幅をスリムにして1・2メートル幅の通路で2台がすれ違えるようにしたり、上部に安全灯を付けて庫内スタッフがすぐにロボットの居場所をつかめるようにしたりとさまざまな工夫を凝らしている。

完成形のロボットが近く製造される見通しで、スタッフ1人につき複数のロボットを割り当てる形式を想定。当初は30台を1セットとして販売していく予定だ。


ピッキングする商品を指示するタブレット端末


ロボットの上部に取り付けられた安全灯で周囲に存在を意識させる

「設備投資」に加えて「運用費用」化のニーズにも配慮

GROUNDの宮田啓友代表取締役は「将来はSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)のような形態を提供していこうと考えている。従来のCAPEX(設備投資)としてのロボット導入に加えて、物量に応じてOPEX(運用費用)として課金できるようにするなど、幅広いニーズに応えていけるようにしたい」と説明。

活用例としては、同一の物流センターで物量が多いテナントに別のフロアのテナントが余っているロボットを一時的に融通したり、テナント企業が異なるセンター間でロボットをやり取りしたりできるようにするイメージを描いている。

同社セールス1部の磯部宗克部長は「人を減らすのではなく、現有のスタッフで増えていく物量に対応できるようにするのがロボットのコンセプト。中小企業の方々の物流現場効率化もサポートしていきたい」と強調している。特に今後も市場拡大が見込まれ、取り扱う物量も増大する公算が大きいeコマース業界にとっては、現有のスタッフ人員で仕事をこなしていけるのは大きな魅力となりそうだ。

(藤原秀行)

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