スタンデージが新政酒造の輸出パートナーとして物流網の提供を開始

スタンデージが新政酒造の輸出パートナーとして物流網の提供を開始

定温航空便で品質維持しタイムリーに世界へ配送可能に

貿易情報の一元管理システムを手掛けるSTANDAGE(スタンデージ)は12月5日、新政酒造(秋田市)の輸出パートナーとして、新政が手掛ける日本酒の輸出で物流網の提供を開始したと発表した。

スタンデージが農林水産省の補助事業として構築したコールドチェーン(定温航空便によるドアtoドア輸送網)を活用、旧来の手法よりもきめ細やかな品質管理とトレーサビリティーを実現する。

新政は1852年創業の伝統的な酒蔵で、現在は8代目の佐藤祐輔社長主導の下、伝統を重んじながらも革新的な酒造りにこだわり、国内外の愛好家の注目を集めている。アジアや欧米、ハワイに輸出し、海外でも熱狂的なファンを増やしている。

昨年12月に新政の顧客でハワイにも店舗を構える東京・四谷の寿司店「すし匠」がニューヨークに新店をオープンするに際し、新政は大規模拡販戦略を取る従来の卸手法ではなく、飲食店の要望を汲みつつ、日本と変わらぬ品質で輸送が可能な米国向け輸出パートナーを探していた。

スタンデージは構築したコールドチェーンを使い、欧米向け越境ECサイト「縁-YUKARI-」を通じて日本酒や日本産品の輸出を担っている。この物流網は現地業者の管理を経ずにドアtoドアで顧客の手元まで品質・温度管理を徹底できる上、欧米向けなら配達のリードタイムが数日~2週間程度と短いこと、小ロットでの輸送ができることがメリット。

従来のコンテナ輸送では品質管理面で難しいとされていた生酒なども、このコールドチェーンの活用により、現地飲食店の手元まで、店舗で適切に保管ができる本数だけを、日本と同様の品質のまま輸送できるようにした。

スタンデージは新政の輸出パートナーとして、23年12月より新政商品のニューヨーク向け輸出に関するあらゆる業務を請け負う。今後は欧州向けのほか、東南アジア向けの輸出に関しても、物流網の提供について協議を進める。

(藤原秀行)

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