新井社長が上棟式で表明、周辺住民ら利用可能と想定
アライプロバンスの新井太郎社長(11月29日付で代表取締役専務から昇格)は12月19日、東京都江戸川区東葛西で開発中のマルチテナント型物流施設「アライプロバンス葛西」(A、Bの2棟で構成)に関し、独自の地域貢献策として、敷地内に周辺住民らが利用できる「アートの森」を造る構想を明らかにした。
同社初の自社開発物流施設となった「アライプロバンス浦安」(千葉県浦安市)で全体のデザインを担った著名なデザイナー・建築家の菅原大輔氏が引き続き、アートの森に携わっており、同社としては様々なアート作品を配置、地域の人たちが憩うことができる空間を生み出したい考えだ。
新井社長は併せて、地元の江戸川区向けに緑道を3本整備する予定のほか、東京都が建設を進めている「スーパー堤防」と連携させることも視野に入れていると明らかにし、地域共生重視の姿勢を強くアピールした。
アライプロバンスが同日、現地で開催した第1弾となるA棟の上棟式に合わせて、メディアの取材に応じた。
「アライプロバンス葛西」A棟の上棟式で最後に設置される鉄骨
神事に臨む新井社長
「アライプロバンス葛西」のA棟は地上5階建て、延床面積は8万7122㎡を計画しており、2024年8月の竣工を見込む。同社が自社で開発する物流施設としては「アライプロバンス浦安」に次いで2カ所目となる。
新井社長はより多くの企業に使ってもらえるよう、最大で23社が入居できる設計にしていると解説。都心の23区内という好立地に物流施設を構えることで海外からの輸入コンテナの配送効率化などにつながるとの見方を示し、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」対策にもなると自信を示した。
同席したアライプロバンスの青柳慶賢取締役は、リーシングの状況として、全体の5%程度で入居が決まっていると説明。引き合いは多く寄せられていると指摘した。「地元の建材卸など、1000坪以下の引き合いも多く頂いている」と述べ、マルチテナント型の特性を発揮できると意欲を見せた。
関係者で撮影
「アライプロバンス葛西」の竣工イメージ。右側がA棟(アライプロバンス提供)
(川本真希、藤原秀行)