「2024年問題」控え、物流業界の効率化・最適化に貢献と期待
北陸を地盤に化学品などを取り扱う商社の三谷産業は12月14日、傘下のベンチャーキャピタル(VC)、Carbon Ventures(石川県金沢市)と北國フィナンシャルホールディングス(FHD)子会社で同じくVCのQRインベストメント(同)が共同で設立した北陸地域ベンチャーファンドが、配車管理システムなどを手掛けるベンチャーのシマントに出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
シマントは、BtoBの配送領域で運輸・物流を効率化するためのソフトウェア開発に注力。配車時のバックオフィス業務として、これまで多くの工数を要して実現させてきた、個々の配車担当者の属人的なノウハウだった「どの荷主の依頼を、どの組み合わせで、どこの倉庫(在庫)から、どの車両に載せるか」との必要な選択と結果の報告・伝達を自動化するのが特徴。
シマントは金融機関向けシステムの開発で積み重ねた経験を生かし、即時性が高く他システムとの連携可能な形で配車管理システムを提供している。
配車管理システムの画面イメージ
同ファンドは「2024年問題」を目前に控え、物流業界全体が業務の効率化・最適化を迫られる中、シマントの提供するソフトウェアは、ドライバーの荷待ち時間の短縮や車両の稼働率向上に向けて配車システムを提供するとともに、荷主のメーカーや、運輸・物流企業の配車担当者の業務負荷を削減できると判断、出資に踏み切った。
シマントのソフトウェアやサービスは、地域内企業で既に商談が進捗している事例があり、同ファンドは投資実行後も域内の運輸・物流業をはじめとした関連企業への導入拡大に向けた支援可能性を検討する。
シマントはトランコムと共同で、配車管理システムの開発を進めている。
◆北陸地域ベンチャーファンドについて https://hrv.co.jp/
名 称 |
北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合 (略称:北陸地域ベンチャーファンド) |
設 立 |
2022年4月21日 |
出資者 |
無限責任組合員(GP):株式会社Carbon Ventures 株式会社QRインベストメント 有限責任組合員(LP):三谷産業株式会社 株式会社北國銀行 |
存続期間 |
10年(但し、合意により最大2年間の延長可能) |
投資対象 |
・技術革新を通した新製品・新サービスを地域内ひいては、 全国に発信する北陸地域のベンチャー企業 ・新たな価値の創造や生産性向上に資するサービス展開で、北陸地域の活性化へ の貢献が期待されるベンチャー企業 ・重点領域は、(1) ITサービス、(2) ソフトウェア、(3) 医療機器・ヘルスケア、 (4) バイオ・製薬、(5) エネルギー、(6) フィンテック 等。 ・投資実行時点での本支店の所在地や業歴、規模は問わない。 |
特 徴 |
・銀行と複合商社の協業による、顧客紹介や販促支援をはじめとした幅広いサポートで、 革新的な新事業の市場へのアクセスを強力に支援する。 ・資金使途の制約はないため、人件費や販促費・開発費等幅広い活用が可能。 |
(藤原秀行)※いずれも三谷産業提供