軽貨物運送、営業所ごとに「安全管理者」選任と定期的な講習義務化へ★続報

軽貨物運送、営業所ごとに「安全管理者」選任と定期的な講習義務化へ★続報

国交省が官民協議会で説明、適性検査も

国土交通省は12月26日に開催した、貨物軽自動車を使った運送事業者の安全確保を目指す「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」の第3回会合で、現在検討している安全確保策を報告した。

安全に関する知識を有する「貨物軽自動車安全管理者」(仮称)を営業所ごとに選任し、講習を選任時と2年ごとに受けるよう義務付けることを示した。個人ドライバーの場合は、自身が安全管理者を務めることになる見込み。併せて、一般貨物などのドライバーに義務付けている適性診断を軽貨物のドライバーにも拡大することを打ち出した。

加えて、一定規模以上の深刻な事故を起こした場合に、国交相へ報告するよう定めることを打ち出しており、行政処分に関する情報を公開することも念頭に置いている。

国交省は今後、貨物自動車運送事業法の改正などの準備を進める。早ければ2024年の通常国会に法改正案を提出する見通し。

一般貨物と足並みそろえ、業務記録の1年間保存など課す方向

国交省は会合で、国交省はECの利用拡大に伴う荷物の増加が続く中、貨物軽自動車の死亡・重傷事故件数が2016年以降、増加傾向にあると指摘。一般貨物などのドライバーに比べると法令違反の割合の高さが目立つこともあると分析し、安全対策を強化する必要性を強調した。

また、貨物軽自動車の運送事業者に対し、23年度中に安全確保のため実施すべき事柄を盛り込んだマニュアルを作成する方針をあらためて示した。

このほか、一般貨物などの事業者と同じく、毎日の業務開始・終了地点や業務に従事した距離などを記録した業務記録を作成し1年間保存することや、事故の概要や原因、再発防止対策を記録して3年間保管することも義務付ける方針を明らかにした。

ただ、個人ドライバーにとっては安全規制強化は負担が大きいことを考慮し、安全管理者の資格要件は細かく定めないなどの配慮を講じる方向。

協議会は今年1月に初会合を開催した。元請けの運送事業者としてヤマト運輸や佐川急便、丸和運輸機関、SBSホールディングスの幹部が参加。他にもアマゾンジャパンやCBcloud、ハコベル、日本フードデリバリーサービス協会、全国赤帽軽自動車協同組合連合会、日本郵便などから関係者が出席している。

さらに、国交省や厚生労働省の幹部が加わっているほか、オブザーバーとして全日本トラック協会も名を連ねている。

(藤原秀行)

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