「プッシュ型支援」で食料37.1万食など配送計画
国土交通省は1月3日、石川県の能登半島を中心に起きた強い地震への対応状況(同日午前6時現在)を公表した。
被災地への緊急物資輸送については、全日本トラック協会が地震発生直後の1月1日、対策本部を立ち上げており、国交省の物流・自動車局などとの間で緊密に連絡するための体制を構築。物資を供給している事業者や自衛隊に加え、県レベルのトラック協会も物資輸送に協力している。
現状では物資供給事業者がおおむね輸送手段を確保できているが、カップ麺や飲料水については、全ト協が国交省からの要請を受け、輸送を手配しているという。
併せて、国交省から1月2日、 日本内航海運組合総連合会と日本旅客船協会に対し、海上物資輸送に必要となる船舶の確保について、協力を要請した。
以下、国交省公表リリースのうち、緊急物資輸送に関する部分を引用する。
▼陸上輸送
・被災地は順次、道路による物資輸送機能が回復している。国は支援物資を調達し、被災自治体からの要請を待たずに、準備が整ったものから被災者の命と生活環境に不可欠な物資を広域物資拠点(石川県)へ緊急輸送する「プッシュ型支援」を実施中。広域物資拠点まではトラック輸送、陸上輸送が困難な場所(輪島市など)へはヘリコプターによる輸送を実施している。配送品目は、食料37万1000食、飲料水15万4000リットル、毛布2万6000枚など。
・必要物資の手配は内閣府の指揮の下、関係省庁(経産省、資源エネルギー庁、農林水産省、厚生労働省)が行い、物資供給事業者が輸送手段を確保できない物資輸送については、政府の災害対策本部から国土交通省へ輸送協力要請。現時点で、物資供給事業者はおおむね輸送手段を確保できているが、一部物資(食料=カップ麺、飲料水)の輸送について、国交省から全日本トラック協会に協力要請し、輸送手配中。
・また、各自治体が実施する広域物資拠点から先の地域内拠点への物資輸送や、各自治体による地域での物資調達における輸送については、物資供給事業者や自衛隊による輸送のほか、自治体からの要請に応じて県トラック協会で対応中。
・全日本トラック協会は対策本部を設置済(1日)。物流・自動車局は全日本トラック協会や指定公共機関との間で連絡体制を構築済み。
・地方整備局は、石川県かほく市、金沢市、富山県氷見市の給水支援派遣を活動中。
▼海上輸送
●港湾の対応状況
・権限代行を実施している石川県内の6港においては、緊急物資の輸送に向けた調整等、施設の管理について国で実施。
・緊急物資輸送・給水支援等のため、3日に直轄(九州地方整備局所有)の大型浚渫兼油回収船が、北九州港より出港予定。
・3日に作業船5隻で被災港に赴き、海からの目視確認で被災状況の確認を実施する予定。併せて、着岸可能であれば緊急支援物資を輸送する予定。
●内航海運業界への要請
2日、日本内航海運組合総連合会および(一社)日本旅客船協会に対し、海上物資輸送に必要となる船舶の確保について、協力を要請済み。
(藤原秀行)