【現地取材】羽田のJAL機衝突・炎上事故、原因調査が本格化

【現地取材】羽田のJAL機衝突・炎上事故、原因調査が本格化

運輸安全委や警視庁、英国の航空事故調査局も参加へ

東京の羽田空港で1月2日に発生した日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機の衝突・炎上事故を受け、事故原因の調査活動が本格化している。

飛行機や船舶、列車の事故を調査する運輸安全委員会が現場に調査官6人を派遣、原因の究明に乗り出しており、機体のフライトレコーダーや管制との交信記録の分析などを進める見通しだ。併せて、警視庁も業務上過失致死傷容疑を視野に入れて捜査を始めた。

JAL機はエアバスA350-900型機で、英国のロールス・ロイス製エンジンを搭載していたため、英国の航空事故調査局(AAIB)も1月3日、エンジンの製造国としての立場から調査官のチームを東京に派遣、調査に加わる方針を発表した。

羽田空港では1月4日、事故が起きたC滑走路に炎上したJAL機が残っており、ほぼ焼け落ちて真っ黒になった機体が火の勢いのものすごさを物語っている。空港の展望デッキからは空港を利用する人たちが機体を見つめ、驚いていた。


羽田空港のC滑走路に残るJAL機


展望デッキから多くの人が機体を見つめていた

国土交通省が1月3日に公開した事故直前の管制と当該機の交信記録では、管制は接近したJAL機にC滑走路への着陸許可を出した後、海保機に滑走路手前の停止位置へ走行するよう指示していた。

管制が1本の滑走路に複数の航空機が同時に進入するのを許可するのは到底考えにくいだけに、交信内容の分析がさらに進められるとみられる。既にSNS上などで事故原因に関してさまざまな憶測が広まってしまっているが、そうした声に惑わされず、運輸安全委などの慎重な調査結果を待ちたいところだ。

(藤原秀行)

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