スキャナー通じ作業の動き記録、過度に監視と判断
フランスの情報保護監督機関「情報処理と自由に関する国家委員会」(CNIL)は1月23日、米アマゾン・ドット・コムのフランスの物流部門に対し、従業員を過度に監視するシステムを倉庫に取り入れ、運営したとして、制裁金3200万ユーロ(約51億円)を科したと発表した。
CNILによれば、アマゾンは倉庫で従業員それぞれに付与したスキャナーを通じ、荷物のピッキングなどの作業の動きを記録。作業の生産性や作業に当たっていない時間などを割り出すのに使っていた。
CNILが調査した結果、従業員から複数の苦情が寄せられたという。
CNILはアマゾンが事前に従業員へデータを収集している旨を適切に伝えていなかったことなどを理由に、個人情報保護を厳格に定めている欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反していると判断した。
欧州のメディアによれば、アマゾンはCNILの判断には事実誤認の部分があると反論しているという。
(藤原秀行)