MonotaRO、茨城・水戸で開発予定の物流拠点は1日当たり出荷能力30万行確保へ

MonotaRO、茨城・水戸で開発予定の物流拠点は1日当たり出荷能力30万行確保へ

全体竣工は28年見込む、シャトル式自動ピッキングシステムなど導入計画

MonotaRO(モノタロウ)は2月2日に開催した2023年12月期決算説明会で、今後の事業計画・戦略に関連し、茨城県水戸市に建設する新たな物流拠点「新関東DC」の概要をあらためて公表した。

外部倉庫ではなく自社で開発し、延床面積は7万9000㎡を計画。着工は2025年5月、建物の竣工は27年4月、設備の竣工は28年2月をそれぞれ見込む。

投資総額は土地が約27億円、建物が約210億~220億円、設備が約200億円、その他が約20億円の計約460億円を見込んでいる。


新関東DCのイメージ(MonotaRO決算説明資料より引用)

同社は茨城県内で笠間市と茨城町の2カ所に物流拠点を置いている。工具などのインターネット通販が今後も伸び、出荷規模も拡大していくと見込んでいるのに対応。自動化機器を積極的に取り入れ、出荷能力は1日当たり30万行と、現在最高水準の茨城県の「笠間DC」(10万行)の3倍の生産性を確保する構想を立てている。在庫能力は50万SKUを見込む。

自動倉庫とAGV(無人搬送ロボット)を採用し、入庫・ピッキング業務の自動化範囲を拡大する。豊田自動織機(トヨタL&F)のシャトル式保管・ピッキングシステム「ADAPTO(アダプト)」を採用する予定。

自社開発の倉庫としては初めて免震構造を採用、災害に備える。一方、建設費の高騰を考慮し、設計などで工夫して能力とコストの最適化を図る。

MonotaROの田村咲耶社長は決算説明会で、今後の物流拠点の展開について「当社は当日注文で翌日お届けを基本としているが、今後特定の地域に出荷できないとなれば新たなDCを考えていく必要がある。そこは市況の変化による」と説明。

鈴木雅哉会長は「出荷30万行はほぼ世界最大の規模だと思う。人だけで実現するのは極めて困難」と語り、自動化の意義を強調。併せて、自動化などで生産性向上を果たして経費抑制ができた分を原資として人件費にも一部再配分することに意欲を見せた。

(藤原秀行)
 

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