決算会見で表明、具体的な改善計画「仕組みから変える必要あり」
ヤマトホールディングス(HD)の栗栖利蔵副社長は2月5日、オンラインで開催した2023年第3四半期(10~12月)決算会見の席上、傘下のヤマト運輸が国土交通省から取引先の運送事業者に物流センターでの長時間の荷待ちを強いるなど、問題行為があったとして貨物自動車運送事業法に基づき是正勧告を受けたことについて「日頃から弊社グループを支えていただいているパートナー企業や関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしたことをおわびしたい」と謝罪した。
その上で「真摯に受け止め、対策を講じていかなければならないと考えている。パートナー企業ともお話をしながら(是正対象の問題行為の)内容をしっかりと改善していけるよう進めていきたい。きちんと改善策を提出させていただく」と語り、国交省からの指示通り、改善策を提出する姿勢を強調した。
具体的な改善策の内容については「今すぐにどうこうという話ができる状況ではない」と具体的な言及を避けた。
栗栖副社長は改善策に関し「(是正勧告で)さまざまな内容をいただいている。早々に改善策を出さなければいけないということで動いている。ただこうやっていこうよという話ではなく、仕組みから変えていかないといけないし、モニタリングもしっかりやっていかないといけない」と説明。
是正勧告の対象となった範囲は全国的なものだったことを明らかにした上で、是正勧告への対応に伴う経営への影響については「大きな金額になるかどうかはまだ調査中」と述べるにとどめた。
国交省の是正勧告によれば、ヤマトは長時間の荷待ちや契約にない付帯業務、運賃・料金の不当な据え置き、過積載運行の指示、その他の無理な運送依頼を行っていた。
(藤原秀行)