Coral Capitalアンケート調査、採用面の苦労も浮き彫りに
ベンチャーキャピタルのCoral Capital(コーラル・キャピタル、東京)は4月30日、国内の起業家を対象とした意識調査結果を発表した。
現状は事業を立ち上げるのに良好な環境と回答した起業家が大勢を占めたほか、今後3年間でスタートアップ企業のM&A件数が増えるとみる向きも85%に上り、起業をめぐって前向きな見方が強いことが鮮明に示された。
一方、「昨年に比べて優秀な人材を雇用するのは難しくなっている」と答えた割合が全体の64%に達するなど、採用に苦労していることも浮き彫りになった。
調査は昨年10月から今年3月にかけて実施、起業家ら273人が回答した。
マーケット環境に関し、起業するには今がベストな時期かどうかを聞いた結果、「はい」が79%で「いいえ」の21%を大きく上回った。「テクノロジー企業にとって今はバブル」との見方は59%が肯定。今後3年間でスタートアップ企業のIPO(新規公開)が増えると予想しているのは47%で、「変わらない」(31%)や「減る」(22%)を引き離した。今後3年間でスタートアップ企業のM&A件数が「変わらない」と答えたのは12%、「減る」と回答したのは3%にとどまった。
半面、採用については、実際の計画と比較して順調かどうかを尋ねたところ、「はい」は42%、「いいえ」は58%となった。
ファンドレイジングの面では、「今後資金調達は以前に比べて簡単になると思いますか」の問い掛けに、「はい」が54%、「いいえ」が46%でほぼ拮抗。「直近の調達は自身の予想を超える調達額でしたか」との設問は「いいえ」が78%で、「はい」の22%を圧倒した。直近の資金調達に要した時間は「1カ月未満」が最多で約3割だったが、「4カ月」も1割程度存在するなど、ばらつきが見られた。
「前回のラウンドに比べて次の資金調達は難しいと考えていますか」は「はい」が47%、「いいえ」が53%。資金調達に汗を流す起業家の姿が浮かび上がった。
(藤原秀行)
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