カメラ画像認識など活用、広大な倉庫内でも車両を正しく追跡可能に
パナソニックコネクトと100%子会社で業務効率化支援ソフト大手の米Blue Yonder(ブルーヨンダー)は3月4日、両社が共同開発した、カメラ画像認識・解析や機械学習(ML)を活用した倉庫・輸送トラックヤードの業務可視化・効率化支援ソリューション「Yard Management Solution(ヤード・マネジメント・ソリューション)」を、北米の大手物流事業者Penske Logistics(ペンスキー・ロジスティクス)に納入したと発表した。実際の提供は同社が初めて。
ペンスキーは荷主企業や運送業者と協力して出荷の最適化、走行距離や輸送コストの削減、資産利用率の向上といった最適な物流サービスを提供している。運送や倉庫内の管理に加えて、各倉庫建屋が置かれる広大な倉庫サイト(ヤード)内でのトレーラーやコンテナなどの追跡・管理を行うための革新的な方法を検討していた。
米国は各物流事業者が保有するトレーラーごとに「トレーラー管理番号」を任意に付与、倉庫サイト(ヤード)内の出入り時に、倉庫管理者が目視で確認し、貨物をどの倉庫に保管するかなどを手書きの指示書で管理してきた。
しかし、広大なサイトと多数の倉庫群を保有する大規模物流事業者は出入り口での確認などに処理時間を要し、場合によっては手作業ミスで実態とシステム上のステータスに食い違いが発生したり、誤った積み荷場所へ誘導したり、ヤード内でトレーラーの動きを正しく把握できなかったりといった問題が発生。様々な手戻り作業の発生や生鮮系荷物における大きな損害が生じる恐れがあった。
Blue Yonderは課題解決のため、SaaSベースのヤード・マネジメント・ソリューションを開発。パナソニック コネクトのカメラ画像認識技術を組み入れることに成功した。
縦や横、様々な位置に、桁数の違いや英数字の並びも不規則に、千差万別にトレーラーに付与されている「トレーラー管理番号」を画像認識とMLを使って読み取ることが可能。5件の特許を申請している。
新技術を駆使し、システムが入出荷を自動的に記録し、場所を追跡できるようになり、物流サイトでのスループット向上とコスト削減し、サービス向上につなげられるようになった。
ペンスキーはまず倉庫サイト1拠点でソリューションを導入。効果を見極めながら、2024年中に他の倉庫サイトへも広げていく見通しという。
(藤原秀行)