トヨタとパナソニック、自動運転など活用の先進的街づくりで合弁会社設立へ

トヨタとパナソニック、自動運転など活用の先進的街づくりで合弁会社設立へ

20年1月設立予定、双方の住宅事業統合

トヨタ自動車とパナソニックは5月9日、自動運転などを活用した先進的な街づくり事業を手掛ける合弁会社「プライムライフテクノロジーズ」を2020年1月7日付で設立すると発表した。

トヨタグループのトヨタホームとミサワホーム、パナソニックグループのパナソニックホームズなど、双方が展開している戸建て住宅開発や内装などの事業を合弁会社の傘下に収めて統合。EV(電気自動車)などの技術とノウハウも持ち寄り、新たな街づくりを機動的に進められるようにする。

両社は既に車載用電池の開発・生産で提携するなど協力関係にあり、結び付きをより強めることで自動運転車を街中で物流に活用するなどの取り組みが進むとみられる。

合弁会社にはトヨタとパナソニックが同じ比率で出資する方向で、資本金は未定。両社は併せて、三井物産と街づくり事業で協力することで覚書を締結しており、三井物産は合弁会社へ資本参加することも検討していく予定。

トヨタはインターネットに接続してドライバーにさまざまなサービスを提供する「つながる車」の開発を推進。パナソニックは最先端の通信技術などを取り入れてより暮らしやすい街を整備する「サスティナブル・スマートタウン」の実用化に取り組んでいる。

トヨタの豊田章男社長は「これから先は人々の暮らしを支える全てのモノ、サービスが情報でつながり、クルマを含めた町全体、社会全体という大きな視野で考えること、すなわち“コネクティッド・シティ”という発想が必要になる。両社の住宅事業を核としながら、クルマやコネクティッド事業を持つトヨタと、家電や電池、IoT(モノのインターネット)事業を持つパナソニック両社の強みを持ち寄り、競争力を高めながらベターベターの精神で、新たな生活スタイルの提供にチャレンジしていきたい」とコメントした。

パナソニックの津賀一宏社長は「今後、お客さまや地域にとって価値ある街づくりには、ハードウエアはもちろんテクノロジーに支えられたサービスの充実が一層重要になってくる。モビリティー領域をリードするトヨタと、人の『くらし』に寄り添い続けてきた当社の強みを掛け合わせ、新たな価値の提供に取り組んでいく」との談話を発表した。


新体制の概要(両社プレスリリースより引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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