船の自動運転技術開発手掛けるエイトノット、瀬戸内海で観光船にシステム初提供

船の自動運転技術開発手掛けるエイトノット、瀬戸内海で観光船にシステム初提供

船舶の自動運航技術開発を手掛けるスタートアップのエイトノット(大阪府堺市)は3月6日、瀬戸内海に広がるしまなみ海道大三島の総合ツーリズム施設WAKKAを運営するわっか(愛媛県今治市)が保有するサイクリスト向け海上タクシーが、エイトノットの自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を導入したと発表した。

エイトノット以外の船舶が採用したのは2例目、観光用途の船舶への搭載は初めて。

現行法上でも利用可能な一部機能を「自動操船アシスト機能」として提供し、船舶関連事業者が抱える課題解決と新たなビジネス機会の創出を後押しする。

エイトノットは2022年度に愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に採択され、自律航行小型EV(電気駆動)船をわっかにレンタルして海上タクシー運航する取り組みを実施。

自律航行システムとしては問題なく稼働することが確認できたが、EV船特有の限定的な出力により大三島周辺エリア特有の強い潮の流れに対応できず、バッテリー容量が限られて航行可能ルートが限定的にならざるを得ないという課題もあった。

取り組みが評価され、2023年度も継続して採択、わっかが保有するサイクリスト専用海上タクシー(エンジン船)に自律航行システムを実装して運航することになった。

自律航行システムを搭載することで暗い時間帯でも安全に航行できるため、通常の海上タクシーサービスに加えて、新たにサンセットクルーズの新サービス提供も実現した。


わっか・村上あらし代表取締役


モニターを使って自律航行システムを操作する様子


2月の乗船体験会の様子


会場での説明の様子(いずれもエイトノット提供)

(藤原秀行)

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