三井E&Sが世界初、大型舶用エンジンで水素燃焼運転に成功

三井E&Sが世界初、大型舶用エンジンで水素燃焼運転に成功

温室効果ガス排出削減に貢献期待

三井E&Sは3月7日、ドイツのMANエナジーソリューションズと、三井E&S玉野工場(岡山県玉野市)の敷地内にあるシリンダ直径50cmの舶用2サイクルテストエンジンで、世界で初めて水素燃焼運転に成功したと発表した。

2021年度にダイハツディーゼルとともに採択された国土交通省補助事業「海事産業集約連携促進技術開発費補助金」を活用。三井E&Sのテストエンジン4S50ME-T(出力7MW、定格回転数117rpm、MEP=2.10MPa)の4シリンダ中、1シリンダをLNG(天然ガス)焚きエンジンME-GI機関デザインをベースとした水素燃焼用に改造。

昨年10月に玉野工場内で完成した水素ガス供給設備(液化水素タンク、水素ガス圧縮機他、以下水素供給設備)とのカップリング運転で、水素漏洩などの不具合がなく、テストエンジンの100%負荷運転を達成した。

水素燃料は着火しやすく適切な燃焼制御を行う必要があるが、100%負荷運転では当該シリンダの95%相当の熱量を水素燃料で賄い、従来燃料で運転する他の3シリンダと同等の燃焼圧力波形が得られ、既存エンジンのデザインをベースに安定した水素燃焼を成立させたことと、エンジンが必要とする高圧水素を水素供給設備から安定供給できることを確認した。

三井E&Sは燃焼試験の成功により、海運業界の温室効果ガス排出削減に大きく貢献できる舶用推進システム提供に向けた歩みを着実に進めたい考え。


テスト機関 水素燃焼テストの状況(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事