日韓の海事分野研究4機関が相互交流や協力へ覚書締結

日韓の海事分野研究4機関が相互交流や協力へ覚書締結

グローバルサプライチェーンの安定や脱炭素化、DXなどの分野を想定

日本海事センターと運輸総合研究所は3月26日、韓国で海事分野の調査・研究に当たっている韓国海洋水産開発院(KMI)、高麗大学海上法研究センター(KUMLC)の2機関と、相互交流と研究協力に関するMOU(了解覚書)を締結した。

日本海事センターと運輸総合研究所の会長を兼務する宿利正史氏、KMIのキム・ジョンドク院長、KUMLCのキム・インヒョン所長の3人が東京都内の同研究所でMOUに署名した。

日本海事センターと運輸総合研究所はKMIやKUMLCと結び付きを強め、日韓両国に加えて脱炭素化などの課題を抱える世界の海事分野の発展により貢献していくことを目指す。今後はグローバルサプライチェーンの安定や脱炭素化、DXなどの分野で研究や交流の促進を検討する。

具体的な内容は4機関で今後詰めるが、パナマ運河で渇水が起きたり紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシ派が船舶に攻撃したりと国際海運を揺るがす事態が続発している現状を考慮し、グローバルサプライチェーンの安定運営のための研究で連携を強化することが候補となる見通し。

さらに、自動運転船の活用、DXに対応可能な船員の教育などの面でも協力を視野に入れていくとみられる。


MOUに調印した(左から)宿利会長、キム・ジョンドク院長、キム・インヒョン所長

MOU締結に際して、宿利会長は「日韓の4つの研究機関がMOUを締結することは日韓両国のみならず、世界の海事においても大きな意義があると考えている。研究成果の共有や共同のセミナー開催などの連携、協働関係を深めていくことを大いに期待したい」と強調。

キム・ジョンドク院長は「MOU締結は日韓両国間で大きな意義のある協力につながる良好な兆しであり、持続可能な交流と協力が着実に推進されることを心から願っている」と述べた。

(藤原秀行)

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