企業間物流の年間出荷量、半世紀前の水準まで減少

企業間物流の年間出荷量、半世紀前の水準まで減少

国交省の21年物流センサス調査結果、営業用トラックの利用割合拡大

国土交通省は7月7日、企業間の物流頻度に関する「全国貨物純流動調査(物流センサス)」の2021年調査分の最終結果を公表した。

年間の全国貨物純流動量(年間出荷量)は23億2000万tで、前回調査の2015年(25億3000万t)から8.2%減少した。1995年調査から6回連続で落ち込んでおり、最も多かった1990年調査(36億1000万)から規模が35%縮小した。半世紀以上前の1970年調査(22億2000万t)の水準に近づいている。

前回の2015年調査と比較すると、倉庫業は出荷量が増加したものの、他の3産業(製造業、卸売業、鉱業)は減少。特に鉱業は13.4%のマイナスとなった。

最も年間出荷量が多かった1990年と比較すると、倉庫業は10.4%の増加となったが、鉱業は64.6%、製造業は31.4%、卸売業は39.1%といずれも大きく減った。


(国交省資料より引用)

貨物を出荷して目的地に着くまでの間、最も長い距離を運んだ「代表輸送機関」は、特定の3日間について聞いた結果、全流動量の85,5%がトラックを使っており、自家用が16.7%と15年調査から約5ポイント縮小した一方、営業用トラックは68.8%で約6ポイント拡大した。鉄道は0.1ポイント増えて1.4%、フェリー・コンテナ・RORO船は変わらず1.2%などとなった。

代表輸送機関を選んだ理由(複数選択可)は「輸送コストの低さ」が58.4%で最も多く、
到着時間の正確さ」(34.9%)、「出荷1件当たり重量に適合」(29.3%)、「所要時間の短さ」(27.0%)などと続いた。

モード別では、「環境負荷の小ささ」が鉄道は38.9%、フェリー・コンテナ船・RORO船は17.9%で他のモードより選択した割合の大きさが目立っている。

出荷1件当たりの平均貨物量(平均流動ロット)は21年調査が0.83tで、わずかに上昇した15年調査の0.98tから再び減少に転じた。2000年調査時の1.73tの半分程度となっており、小口化がさらに進んでいることがうかがえた。

調査は5年に1回実施しているが、直近は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から1年先送りとなった。全国の6万2241事業所を対象に実施、34.1%の2万1206事業所から回答を得た。集計したのは1万9643事業所だった。

(藤原秀行)

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