トレードワルツの新社長に京セラやミスミ、ニデック出身の佐藤氏が就任へ 

トレードワルツの新社長に京セラやミスミ、ニデック出身の佐藤氏が就任へ 

4月1日付、経営の独立性高める狙い

貿易情報一元化システム「TradeWaltz(トレードワルツ)」を運営するトレードワルツは3月28日、NTTデータ出身の小島裕久社長が相談役に退き、後任に京セラやミスミ、日本電産(現ニデック)出身の佐藤高廣執行役員CEO補佐兼グローバル&アライアンス事業本部長が就任する人事を発表した。4月1日付。

トレードワルツは2020年4月、NTTデータが準備会社を設立し、同年10月に7社が共同出資。その後は株主からの出向者を中心に経営し、3年半にわたって事業を運営してきた。現状は大手企業16社の共同出資会社となり、政府と連携をしながら海外・アライアンス事業も展開、システムの利用が着実に広がっている。

自立した事業運営を実現するため、トレードワルツが直接雇用した社員を順次採用、現場マネジメントへ昇格させていく中、株主からの出向者比率は下がり、現状は60人を超えるメンバーのうち約70%が直接雇用社員になっている。

今後、トレードワルツが自立した会社として成長を持続するためには、株主に対してフラットに接し、経済合理性を基に、迅速に経営判断を行えるプロ経営者を外部から招聘し、トップマネジメントを任せていくことが必要と判断。

2023年10月に佐藤氏が執行役員CEO(最高経営責任者)補佐、グローバル&アライアンス事業本部長として着任し、半年間、現場マネジメントをしながら来期以降の事業計画策定を推進する中で、社長昇格を決めた。

佐藤氏は京セラで稲盛和夫氏の経営哲学を学び、欧州事業会社経営に携わる中で、事業のデジタル化による企業価値向上の経験を重ねてきた。ミスミや日本電産(ニデック)でも海外事業の経営・改善に従事、産業間SCMデジタル連携を行ってきた。

平成19年9月

京セラ・ミタ・フランス 社長

平成26年4月

京セラドキュメントソリューションズ(株)執行役員(兼)欧州本社社長

平成30年4月

(株)ミスミグループ本社執行役員

平成30年9月

ミスミヨーロッパ 執行役員

令和3年5月

日本電産(現:ニデック)(株)執行役員、家電産業事業本部副本部長

令和5年10月
(現職)

(株)トレードワルツ 執行役員CEO補佐、グローバル&アライアンス事業本部長

令和6年4月
(予定)

(株)トレードワルツ 代表取締役執行役員社長CEO 兼 COO

併せて、 社内の情報連携を迅速にするため、本部構成を5本部から3本部へ再編。広報・海外事業・政府対応など渉外部分に従事していた染谷悟COO(最高執行責任者)は引き継ぎで出向期間を半年延長していたが、3月末の任期満了で出向復帰するため、4月以降、COO業務は佐藤氏が兼務する。貿易コンソーシアムの責任者や政府・海外機関・アライアンス先などへの渉外窓口も佐藤氏に変更する。

現場メンバーの出向者も3月末に一定数を復帰させて出向者比率をさらに下げる予定。シンプルかつ自立した組織体制で、トレードワルツの成長を強力に推進していく構え。

(藤原秀行)※いずれもトレードワルツ提供

経営/業界動向カテゴリの最新記事