夜間の高速PA、SA駐車スペース確保が課題と指摘、国などに拡充要請へ
特積み運送事業者らが参加する全国物流ネットワーク協会(全流協)は5月14日、東京都内で2019年度の定時社員総会と事業報告会、懇親会を開催した。
このうち懇親会の冒頭、森日出男会長(ヤマト運輸会長)があいさつ。全流協として実現に注力してきた「ダブル連結トラック」を、全流協に加盟している大手物流企業4社が今年3月から関東~関西間の幹線共同輸送に活用し始めたことに触れ、現時点では順調に運行できていると評価した。
同時に、課題として夜間の高速道のPAやSAでの駐車スペース確保を挙げ、国土交通省や高速道路会社にスペース拡充を働き掛けていくことを強調した。
あいさつする森会長
森会長は昨年10月に全流協が石井啓一国交相へ車両の長さに関する規制の見直しなどを要請したことに言及。「省内各部署で最大限のスピード感を持って取り組んでいただき、わずか3カ月で規制緩和が行われた」と謝意を表明した。
その上で、ダブル連結トラックの幹線共同輸送への投入に伴い、運行状況に関するリポートを精査していると説明。「現段階ではおおむね、想定の範囲でできているかなと思っている」と述べた。
半面、「深夜帯のPAなどでは、ダブル連結トラックだからということではなく(通常の)大型トラックでも止める場所がないことがほとんどのリポートで報告されている。やはり法令順守の観点から休憩のために駐車スペース確保が課題だと思っている」と強調した。
併せて、全流協として研究を進めている納入先での待ち時間削減のための「トラック予約システム」に関し「既存のシステムの中で倉庫業や荷主企業とどうマッチングするか協議を進めた上で、めどがついたらガイドラインを作っていこうと思っている」と説明。導入のための指針を全流協として策定することに意欲を見せた。
懇親会に先立つ総会では19年度の事業計画を承認。引き続きダブル連結トラックの共同利用とトラック受付予約システム導入を後押しするほか、行政や地域と連携して中心市街地で荷さばき駐車抑制を図ることなどを盛り込んだ。
(藤原秀行)