中国系ハイロボティクスジャパンが新たなソリューションを初お披露目
中国の新興ロボットメーカー海柔創新(HAI ROBOTICS、ハイロボティクス)系のHAI ROBOTICS JAPAN(HRJ)は4月10~12日に大阪市の「インテックス大阪」で開かれた大型物流展示会「関西物流展」で、新たな物流施設内作業自動化のソリューションを日本で初めてお披露目した。
ハイロボティクスが得意とする自動ケースハンドリングロボット(ACR)に、搬送を担うAGV(自動搬送ロボット)を組み合わせ、物流業務の効率を最大限高められるよう工夫しているのがポイント。日本では物流事業者にとどまらず、製造業にも利用を引き続き、積極的に働き掛けていく構えだ。
展示したソリューション。ACRの周囲をAGVが動き回っている
ハイロボティクスのACRは、庫内の上部空間まで商品や部品などをラックに保管できるため、空間の利用効率を大幅にアップできるのが強み。今回出展しているACR「HaiPick A42T-E2」は保管しているコンテナの入出荷を担うロボットを改良し、フック形状のロボットアームでコンテナを上から保持することで、コンテナ間のすき間を最小限に抑えて保管効率を高めている。コンテナのピッキング速度も向上させている。
一方、コンテナの搬送を担当するAGV「K50」は、可搬重量が最大50kg。ラックの下でコンテナを待ち、素早く作業スペースまで運ぶ。ACRとAGVが庫内で協働することにより、ピッキング作業の効率が手作業より最大3~6倍高まるとみている。
AGV「K50」
HRJの担当者は「主な顧客はECや小物部品、薬剤などの小型製品。倉庫も製造業も人を集められないことから、引き合いは増えている。他社の自動倉庫では投資回収に10年以上を要するものも少なくないが、当社の製品はだいたい5~7年で回収できる。価格の面では強みがある」とコメント。
今回初披露したソリューションについては、既にアパレル大手が採用を決めており、2024年中から25年初めに稼働を始める予定という。
(川本真希、藤原秀行)