AZ-COM丸和、C&FロジへのTOB開始時期延期「現時点で必要ない」と表明★続報

AZ-COM丸和、C&FロジへのTOB開始時期延期「現時点で必要ない」と表明★続報

質問事項に回答、大株主に否定的な反応なしとも説明

AZ-COM丸和ホールディングス(HD)は4月15日、TOB(株式公開買い付け)を提案しているC&Fロジホールディングスからの質問事項に対する回答書を4月12日付で提出したと発表した。

この中で、C&Fロジが尋ねていたTOB開始時期延期の検討の可否について「現時点で本公開買付けの開始を延期する必要はないと考えている」との意向を表明、C&Fロジの要望を拒否した。

AZ-COM丸和はその理由として、同社が1カ月強程度の時間を準備することでC&Fロジ株主がTOB賛同するかどうか判断する機会を確保できると考えていることや、TOBなどを早期に実施することがC&Fロジの企業価値向上に資すると判断していることを挙げている。

TOBの価格についても、C&Fロジが触れていた買い付け価格下限の引き上げは行う必要がないとの姿勢を示している。

AZ-COM丸和はまた、C&Fロジの大株主にTOBの趣意を説明しているが、TOBに否定的だったり、TOBスケジュールが十分ではないとの反応を示したりした株主はいないと説明。TOBの意義にあらためて言及、理解を求めている。

C&Fロジは4月15日、AZ-COM丸和からの回答を受け取ったと確認した上で「本回答書を直ちに(社内の)特別委員会に提出するとともに、本回答書で提供された情報について追加的に確認する事項がないかを検討する」とコメント。必要に応じて追加でAZ-COM丸和に質問する可能性があるとの見解を示している。

和佐見社長の株保有、正当性を主張

AZ-COM丸和の回答は、C&Fロジが事前通知なくTOBの提案があったと述べていることに対し、2022年10月から約1年間、経営統合に関する協議をC&Fロジと行ってきており、その際にAZ-COM丸和の情報は相当程度提供してきたため、TOBを延期しなくても分析・検討を行うことは可能と指摘。

AZ-COM丸和の和佐見勝社長が今年3月時点でC&Fロジ株式の3.35%を保有している理由については「物流業界の活性化などを目的として貴社の了承を得た上で取得したものであって、事後に貴社の買収を行う足掛かりとする意図で取得したものでないことは明らか。保有数量についても、他社の株式に比べて突出して多くの貴社株式を保有しているわけでもない」と正当性を主張している。

和佐見社長が高齢で数年以内に代表取締役を退く可能性があり、その場合に経営方針に及ぼす影響をどのように考えているのか見解をただしたことに関しては「本取引後の貴社の経営方針は、対等の精神の下、両社の企業価値をさらに向上させる観点から貴社と協議を行った上で決定したいと考えており、社長の和佐見が退任したとしても、その方針は変わらない」と明言。和佐見社長の後継者候補育成にも対応しているとアピールしている。

AZ-COM丸和の自己資本比率が昨年12月末時点で39.7%にとどまり財務面でリスクを抱えていることへの認識を聞かれたのに対しては、他の物流企業と比較しても特段低い水準とは捉えていないと言明。TOBなどの実施で借入金は増えるものの「本取引に関する資金調達についても、本取引の意義を含め、金融機関のご理解も得られていることから、実質的な財務リスクがあるとは考えていない」と述べている。

(藤原秀行)

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