物流・運送業経営者の7割、「先行きが厳しい」と予測

物流・運送業経営者の7割、「先行きが厳しい」と予測

M&Aキャピタルパートナーズ調査、ドライバー不足への対応は「賃金」がトップ

M&Aキャピタルパートナーズは4月18日、物流・運送業の経営者101人を対象としたM&Aに関する意識調査結果を公表した。

■調査概要
調査概要:物流・運送業のM&Aの意識調査(2024年版)
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年3月21~22日
有効回答:物流・運送業の経営者101人
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない
※比較調査
 2023年5月10~11日|
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000051639.html
 2022年10月24~25日|
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000051639.html

物流・運送業界の先行きについて尋ねたところ、73.3%が「さらに厳しくなる」と予想。「明るい」(7%)や「現状維持」(14%)を大きく引き離した。「さらに厳しくなる」は前回調査の23年比で3.3ポイント増えた。

荷主企業に対する運賃の値上げ交渉については、「交渉している」(44.6%)と「交渉をする予定がある」(18.8%)を合わせると6割に達したが、「交渉している」「交渉する予定がある」はともに23年調査から減少。「交渉をしたいができない」は22%から26.7%に増えた。

また、「2024年問題」に伴って今後さらに人手不足が厳しくなると予測されていることを前提に掲げ、ドライバー不足への対策を実施しているかどうかを質問したところ、「すでに実施」は25.7%、「実施する具体的な予定がある」が23.8%。ほぼ5割となった。しかし、「具体的な予定がない」も43.6%に上った。

「すでに実施している」「実施する具体的な予定がある」を選んだ人に、ドライバー不足への具体的な対策を尋ねた結果(複数回答可)、「ドライバー賃金の向上」(74.0%)が最も多く、23年の51.1%からも大きく増えた。

「労働時間の改善(生産性の向上)」は58.0%(23年時72.3%)、「採用・求人の強化」は42.0%(同51.1%)、「福利厚生の充実」は18.0%(同17.0%)だった。

「労働時間の改善(生産性の向上)」と回答した29人に、具体的な取り組みを確認したところ(複数回答可)、「荷役・荷待ち時間削減の交渉」が62.1%、「給与条件や待遇改善による採用強化」が51.7%、「DXによる業務の効率化」が51.7%などと続いた。

行っている取り組みによって、労働時間(生産性)の改善が充分に解決できていると思うかどうかについては、「非常にそう思う」が7.0%、「ややそう思う」が55.2%、「あまりそう思わない」が24.1%、「全くそう思わない」が3.4%などと分かれた。

運賃交渉や労働時間のような経営課題を解決するために、他社とM&Aなどによるパートナーシップ(提携)を検討したことがあるかどうかに関しては、「はい」が16.8%で、「いいえ」の78.2%と大きな差が付いた。

パートナーシップを検討する場合、パートナーにふさわしい企業を挙げてもらったところ(複数回答可)、「同業の大手企業」が27.7%、「同一エリアの企業(業種は問わない)」が20.8%などとなった。

(藤原秀行)※いずれもM&Aパートナーズ提供

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