苫小牧地域に受け入れ・貯蔵拠点整備など想定
北海道電力と北海道三井化学、IHI、丸紅、三井物産、苫小牧埠頭の6社は4月25日、北海道の苫小牧地域を拠点としたアンモニアのサプライチェーン構築に向け、共同検討を開始したと発表した。
6社は今後、海外で製造したアンモニアを苫小牧地域で受け入れるための貯蔵・供給拠点整備や、同地域を起点とした北日本の広域圏でアンモニア活用先拡大のための調査などを進める。
脱炭素化へアンモニアを安定的に調達・供給できる環境を整備し、発電など産業分野での燃料・原料利用促進を図るのが狙い。長距離・大量輸送が難しい水素をアンモニアの形で輸送・貯蔵することによる水素の利用加速も目指す。
苫小牧地域でのアンモニアサプライチェーン構築に向けた検討範囲
6社が拠点化を目指す苫小牧地域は、拠点形成に必要な設備などの設置が可能な広大な用地を有し、将来の需要増加に対応する貯蔵タンクの増設などが可能と見込む。
同地域は北日本最大の海上輸送拠点として、日本海側と太平洋側の両方にアクセス可能な航路が多く存在。拠点周辺の需要家に加え、内航船などを活用することで、北日本の需要家にも幅広くアンモニアを供給できると想定している。
同地域ではCCS（回収したCO2の地下貯蔵）事業や水素のサプライチェーン構築に関する検討など、同地域を起点とした脱炭素化の取り組みが進められており、ゼロカーボンシティ実現に向けた取り組み強化を見込む。
共同検討と並行して、アンモニア活用先候補の釧路火力発電所、日本甜菜製糖、オエノンホールディングスの3社ともアンモニアのサプライチェーン構築に関して協議を進める。
苫小牧地域におけるアンモニア供給拠点の位置
（藤原秀行）※いずれもプレスリリースより引用
