大和ハウスグループ、工場や物流施設など事業・商業施設のストック事業を本格始動

大和ハウスグループ、工場や物流施設など事業・商業施設のストック事業を本格始動

老朽化案件の再生など推進、省エネ化サポートも

大和ハウス工業は5月15日、グループの大和ハウスリアルティマネジメント、大和ハウスプロパティマネジメント、フジタビルメンテナンスの3社と連携し、工場や物流施設といった事業施設・商業施設の不動産ストック事業ブランド「BIZ Livness(ビズリブネス)」を立ち上げ、同日に本格始動したと発表した。

同社グループは2018年1月、既存住宅の売買仲介、買取再販、リノベーション・リフォームなどの住宅ストック事業を強化するため、グループ統一のブランド「Livness(リブネス)」を創設。約60万件のリフォームやリノベーション、買取再販などを手掛け、住宅ストック市場の活性化を後押ししてきた。

現行の中期経営計画(2022~26年度)」は老朽施設の再生・バリューアップなどに注力し、23年度の非住宅分野のリブネス事業の売上高は933億円に達した。

住宅に加え、事業施設・商業施設など非住宅分野の不動産ストック事業を拡大させるため、新ブランドの立ち上げに踏み切った。

今後、自社施工物件のほか、他社施工物件を含む既存建築物の再生・活用を推進し、2026年度にリブネス事業全体の売上高を4000億円まで伸ばすことを目指す。

国土交通省の「平成30年(2018年)法人土地・建物調査」によると、築30年を超える倉庫や工場は計約20万件と全体の5割以上を占め、老朽化した事業施設も増加。日本ショッピングセンターの「SC白書」によれば、開業20年を超える複合商業施設は全国で2000件を超えるなど、住宅だけでなく非住宅分野の建物の修繕やリノベーションの需要が高まっているという。

大和ハウスはこれまで、事業施設事業で製造施設、医療・介護施設、オフィスなどを約2万2000件、商業施設事業は店舗・商業施設などを約4万8000件建築している。昨今の資材高騰や「2024年問題」への対応などで既存施設の再生への関心も高まっている。

既存施設の買取再販やリノベーション、テナント企業の誘致などをより積極的に実施。テナント企業のニーズに合わせたバリューアップ工事を行うなど、収益物件として資産価値を向上させ、不動産投資家のニーズにも対応する。


「Livness」と「BIZ Livness」のイメージ

「BIZ Livness」を通じて既存建物への太陽光発電システムの設置など、省エネ化をはじめとする環境負荷低減に貢献することで、企業の環境対策をサポートする。多くのZEB(新築)の施工実績と「省エネ」「創エネ」の技術・ノウハウを活用し、環境に配慮したリノベーションをはじめとするカーボンニュートラルへの取り組みを推進する予定。


太陽光発電システムを導入した事例:マルチテナント型物流施設「DPL 川崎夜光」(いずれも大和ハウス提供)

(藤原秀行)

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