小売業などの検品作業と配送の品質改善を後押し
SGホールディングス傘下でIT統括事業を担うSGシステムは5月17日、TC(通過型物流センター)事業者向けに特化した出荷検品システム「Biz-Logi TC」をリリースしたと発表した。
TC業務は、店舗別の仕分けの有無やラベル管理手法の違いなど業務要件が企業ごとに多岐にわたっているため、TC業務のデジタル化には要件に沿ったシステムを企業ごとに構築する必要があり、導入には長い期間がかかることから、いまだ多くのTCで目視での検品や手仕分けが行われているのが実情。
「Biz-Logi TC」は、特に多店舗展開する小売業や卸売業などの要望の中から共通する要件を抽出し、標準機能として搭載することで、現状よりも短期間でシステム導入できるようにした。加えて、企業ごとの要件に沿ったカスタマイズにも柔軟に対応する。
「Biz-Logi TC」の概要図(SGシステム提供)
荷物の仕分けやトラックへの積み替えなどに重点が置かれたTC特有の個口検品に対応。荷物に貼り付けられたSCMラベルのバーコードをハンディターミナルで読み取ることで、店番や店名、個数などを正確に把握、TC業務における人為的な仕分けミスを抑制する。
SCMラベル単位だけでなく、かご車単位でも検品することが可能。事前にかご車の積載内容を登録しておけば、出荷・配達時にSCMラベル単位でバーコードを読み取る必要がなくなり、大幅な業務負荷軽減につながると見込む。
TCへの入荷から店舗配達までの作業進捗や配送状況などをリアルタイムでトラッキング(追跡)することもできる。本部や店舗で今どこに何があるのかを細かく把握することが可能で、仕入先への問い合わせが不要になると想定。店舗配達状況をつかんでおくことで重複発注や欠品の解消も図る。
(藤原秀行)