国交省、トラブル相次ぐJALに厳重注意

国交省、トラブル相次ぐJALに厳重注意

国内外で許可得ず滑走路横断や機体接触など、機長が過度の飲酒も

国土交通省の平岡成哲航空局長は5月27日、日本航空(JAL)の鳥取三津子社長を国交省に呼び、5月に福岡空港の滑走路で他社の航空機が離陸滑走中にJAL機が滑走路手前の停止線を越えるなど、安全上のトラブルが相次いでいるとして厳重注意した。

併せて、6月11日までに再発防止策を報告するよう指示した。

国交省は、昨年11月に米シアトル・タコマ空港でJAL機が管制の許可を得ないまま滑走路を横断したり、今年2月に米サンディエゴ空港で他社の機体が着陸のため滑走路に進入していた際、地上走行中のJAL機が誤って異なる誘導路に入り、管制許可を受けずに滑走路手前の停止線を越えたりしていたことを問題視。4月には米ダラスに滞在中のJAL機長が過度に飲酒し、トラブルを起こしていた。

国内でも5月に羽田空港で、出発の準備中だったJAL機と別のJAL機の主翼端同士が接触した。

国交省は厳重注意した文書の中で「貴社における安全管理システムが現場を含めた社内全体に対して有効に機能しているとは言えない。また、飲酒事案においては航空安全に対する意識の浸透が十分とは言えない。さらに、こうしたことは、航空輸送の安全への社会的な信頼にも大きく影響を及ぼしかねない」と強く批判。迅速な対応を求めた。

JALは同日、「お客さま、ならびにご関係の皆さまにご迷惑・ご心配をおかけしたことを心よりおわび申し上げます。当社は本行政指導を重く受け止め、安全管理システムの総点検を行った上で、必要な対策を講じてまいります。経営トップが率先して航空安全に対する意識の再徹底を図り、現場を含めた会社全体が高い緊張感を持って、さらなる安全性向上に全力で取り組みます」などと謝罪する声明を発表した。

(藤原秀行)

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