【現地取材・動画】茨城・境町が独自のドローン研究開発施設オープン、新型物流用機体のデモ公開

【現地取材・動画】茨城・境町が独自のドローン研究開発施設オープン、新型物流用機体のデモ公開

ACSLが運営、買い物支援や農業などへの応用促進図る

茨城県境町は5月28日、町内に開設したドローンの研究開発・教育用施設「境町ドローンラボ・ドローンフィールド」を公開した。

約8800㎡の敷地内に、ドローンのテスト飛行が可能な芝生のフィールド約5900㎡を設けているほか、平屋建ての屋内実験棟(延べ床面積648㎡)と研究開発・人材育成棟(320㎡)も整備しており、国産機体の飛行テストや新たな活用の実証実験、ドローンを活用できるデジタル人材の育成に充てられるよう配慮している。施設の指定管理者はACSLが務めている。

総事業費は約4億7400万円で、政府のデジタル田園都市国家構想交付金などを活用した。


テスト飛行が可能な芝生のフィールド


屋内実験棟


研究開発・人材育成棟

境町はエアロネクストなどと組み、町内でドローン物流の利用拡大を図っている。新施設をACSLなど民間事業者らに活用してもらい、先端技術活用に積極的な町をアピールするとともに、ドローンの産業利用拡大に貢献したい考えだ。ACSLも新施設を活用、ドローン物流など技術革新を図る。

境町が同施設内でこの日実施した落成式典では、ACSLが日本郵便とも連携して実用化を目指している新たな物流用ドローン「JP2」のデモ飛行もお披露目した。ドローン内部に荷物を収納し、目的地に到着すると自動的に切り離して「置き配」できる。ペイロード(最大積載重量)は5kgで、フル充電した場合の航続距離は35kmを想定。従来機より騒音を抑えるなど、利便性向上に配慮している。

JP2は有人地帯上空で目視外飛行する「レベル4」飛行が可能な国の型式・機体認証を取得することを目指している。


「JP2」の機体


荷物を本体に搭載できる

落成式典で境町の橋本正裕町長は「これまで物流や災害対応などさまざまな場面でドローンが普及していく上で、最初にこの施設が活躍するのではないか」とあいさつ。ACSLの鷲谷聡之CEO(最高経営責任者)は「世界でもトップクラスの施設ではないか。さまざまなデジタル人材の育成を図り、次の世代の方々にも活用いただけるようにしたい」と意気込みを語った。


関係者によるテープカット

(藤原秀行)

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