最短9日で「普通→中型」取得可能に
アサヒロジスティクスは6月4日、グループ企業の川越自動車学校(埼玉県川越市)が、中型免許短期取得プランの一般企業向けの展開を開始すると発表した。
同プランは現在普通免許を保有している場合、入校日より卒業検定までを最短9日(諸条件あり)で終了できるようにする。
昨年9月、アサヒロジスティクスに在籍するドライバー向けのプランとして試験的に導入を開始。一般企業にも対象を広げることにした。
普通免許の所有者にトラックドライバーとして入社してもらった場合、入社後に業務に合わせた車格に対応する上位免許の取得が必要になるケースも多くあり、実際に業務に就けるまでには時間を要している。
同プランで上位免許取得までの期間を短縮し、「2024年問題」を考慮して物流業界全体の人材不足解消に貢献していきたい考えだ。
中型免許短期取得プランの概要
【プランの一例】
注意
・最短日数は、入校(初回教習受講日)より卒業検定実施までの日数を指す
・教習内容は、学科教習1限+技能教習(必要時間数は保有・取得免許により異なる)
・料金:要問い合わせ
アサヒロジスティクスはこれまで、将来的な人材不足を見据え、ドライバー確保のための様々な取り組みを展開。特に若年層や未経験者の採用を積極的に行うのに際し、ドライバー専用の研修施設整備や、運転免許取得支援制度の充実を進めてきた。
同社の運転免許取得支援制度は2017年の準中型免許新設に伴い開始。以前は免許取得補助として必要経費の貸付を実施していたが、主力の4t車両への乗務は中型免許または中型免許(8t限定)が必要になることから、安定的なドライバー確保の観点からも制度を見直し、普通免許を所有していれば入社を可能に変更。入社後に費用負担なく業務に必要な上位免許を取得できるよう後押ししている。
ただ、この制度を活用する場合、近隣の自動車学校を探し、入校の手続きを行うため事務的な手間を要する上、遠方の合宿免許の利用や保有車両台数に限りがある近隣の教習所の利用、また季節によっては入校までに2カ月ほど待たなければならず、入校しても教習予約が取りにくいなどの事情で実際に運転業務に就くまでに相当な期間を要するケースが多かったという。
課題解決のため、2022年にグループ企業となった川越自動車学校を活用し、中型免許を短期集中で取得できるプランの導入を検討、23年9月より、アサヒロジスティクスに在籍するドライバーを対象に、試験的に運用を開始した。23年10月には、アサヒロジスティクスグループ滑川寮・研修センター(埼玉県滑川町/23年9月開設)を活用した遠方拠点在籍者の宿泊通学も開始。またこの間、川越自動車学校は中型教習車両の増台や指導者の育成を進めるなど受け入れ体制を整備し、より幅広くこのプランを活用してもらえるよう準備してきた。
(藤原秀行)※いずれもアサヒロジスティクス提供