標準仕様パレット活用促進、30年度念頭の工程表公表

標準仕様パレット活用促進、30年度念頭の工程表公表

国交省が官民懇談会の最終取りまとめ案、レンタルで保有5000万枚目指す

国土交通省は5月31日、「官民物流標準化化懇談会 パレット標準化推進分科会」(座長・味水佑毅流通経済大学流通情報学部教授)が策定した、物流現場のパレット利用促進策を盛り込んだ最終取りまとめ案を公表した。

分科会が目指すパレット標準化について「単に異なるパレットの規格を一つ、または少数に収れんさせるだけでなく、パレット化可能な全ての荷物について、一貫パレチゼーションを通じた効率的な輸送・荷役・保管を実現する」ことと定義。

 
 

標準規格のパレットを標準化された方法で運用することで、現在のパレット化可能な貨物の輸送に関する総作業時間約7.2億時間のうち、年間で3割程度に相当する約2.3億時間を削減できると推計。パレット標準化の意義の大きさを強調し、荷主企業や物流事業者など関係者が連携して実現を目指すよう重ねて強く訴えた。

標準仕様パレットの規格としては、広く流通している1100×1100mmの「T11型」を念頭に置いている。高さは144~150mmを想定している。

最終取りまとめ案はコチラから(政府のパブリックコメント ウェブサイト)

その上で、パレット標準化のロードマップ(工程表)を公表。2030年度を目標の年として、標準仕様パレットの活用推進、使用後の所有者への適切な返却などを進めることを盛り込んだ。パレットレンタル事業者間でパレットを適正に運用できる共同プラットフォームを構築する方向性も提示している。

その前段として、パレットを仕分け・回収する作業の主体を26年度までに明確化することなどをうたっている。

さらに、パレット標準化のKPI(重要業績評価指標)として、平パレットの生産数量に占める標準規格パレット(T11型、木製・プラスチック製)の割合を22年度の26%から30年度は50%以上に高めることや、レンタルパレットの保有数量を22年度の約2650万枚から30年度は5000万枚以上まで増やすことなどを設定。荷役作業の時間を20年度の1人当たり年間375時間から30年度に315時間まで短縮できるよう貢献することも明示している。

国交省は最終取りまとめ案について、6月14日午後6時までパブリックコメント(一般からの意見募集)を行った上で、あらためて広く公表する予定。

 
 

(藤原秀行)

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