衛星通信サービスも利用可能、山間部や災害地域で導入推進
NTT コミュニケーションズは6月6日、スタートアップのARAV(アラヴ、東京都文京区向丘)の建機遠隔操縦システム「Model V」と通信環境の構築などを組み合わせ、建設機械の遠隔操縦・自動化を支援するソリューションの提供を同日開始したと発表した。建設業界の人手不足支援を図る。
様々なメーカーの建機に後から機器を取り付けることで、遠隔操縦や自動化を実現できる。高速通信規格の5Gに加え、米スペースの衛星通信サービス「Starlink Business」も使えるため、山間部や災害地域など通信環境構築が困難な場所でも作業の遠隔操縦導入・自動化を推進できると見込む。
建設業界は人手不足解消や安全対策の目的で建機の遠隔操縦や自動化が注目されているものの、 実際の現場導入に際しては高機能な建機の新規購入、通信環境構築の2点が高いハードルとなっていることが多い。
そのため、後付けアタッチメント式で様々なメーカーの建機を手軽に自動化できるARAV の「Model V」に、NTTコムが通信環境構築を含めた包括的なソリューションを提供。建機の遠隔操縦や自動化の需要を喚起・顕在化させ、現場のDXを加速させていきたい考えだ。
「Model V」はネットワークを介して遠隔操作席から制御信号を送り、建機を遠隔操縦することができる。建機の遠隔操縦や自動化は通信環境構築・映像伝送・クラウドカメラ・位置情報取得といった周辺設備が必要となるが、NTTコムが一括提供する。
NTTコムとARAV は、これまで建機の遠隔操縦・自動化の導入が困難だった現場を含めた、全国のあらゆる建設現場に対し、ソリューション導入を拡大し現場の課題解決を促進。さらに、現場ごとの課題に合わせて「Model V」のカスタマイズや周辺環境を組み合わせ、現場運用の最適化・高度化も実現していくことを狙う。
加えて、建設現場だけでなく製造・物流・エネルギー・鉄道・航空といった他産業でも車両や重機の遠隔操縦・自動化を推進していくことを視野に入れている。
ソリューションの概要
Model Vの特長
(藤原秀行)※いずれもNTTコミュニケーションズ提供