荷主とのやり取り簡略化、手作業による帳票作成の手間も解消
LOZI(ロジ)は6月10日、国土交通省の「中小物流事業者における物流業務のデジタル化実証」で、複数の物流事業者とともにデジタルツール導入による業務効率化を実証する取り組みを展開、国交省が実証の概要と効果の検証結果を取りまとめたリーフレットを公開したと発表した。
同事業はLOZIが独自開発したバーコードによる貨物追跡サービス「SmartBarcode(スマートバーコード)」も採用。異なる目的で2種類の実証を行い、それぞれ効果を検証した。
(LOZI提供)
現行の総合物流施策大綱(2021~25年度)は25年をめどに、物流業務の自動化・機械化やデジタル化に向け、荷主と連携して取り組んでいる物流事業者の割合が5割に拡大することを目標として掲げている。しかし、車両手配や見積書作成、配車、検収・検品業務などは荷主と物流事業者間のやり取りに依然電話やファクス、メールが頻繁に用いられるなど、デジタル化は遅々として進んでいない。
今回の実証事業は、中小事業者へコスト面の負担を極力小さくした形で、荷主と物流事業者をデジタル化ツールでつなぎ、業務の効率化を図るのが目的。
輸送状況や荷待時間の可視化、電子受領サイン、QRコードによる自動検品が可能なSmartBarcodeと、見積りや受注、請求における荷主とのやり取りなどを完結し、配車計画、管理帳票作成が可能な事務処理支援ツールを連携させた。
荷主とのやり取りがツール上で完結できたことで、従来発生していた電話などでの追加確認など、不要なやり取りがなくなり、作業時間削減などにつながったのと同時に、各運行管理帳票がデジタル化できたことで手作業による帳票作成の手間を解消できたという。
また、SmartBarcodeを利用した検品で、従来発生していた目検による検品ミスを実質ゼロに抑えられたと説明している。
もう1種類の実証は、ドライバーの労働時間削減が求められる中で、荷待ち時間が実際にどれくらい発生しているのかが正確につかめていないため、車両のSmartBarcodeを読み取ることで荷待時間と積み込みや積み降ろしに要する荷役時間を計測、可視化した。
また、輸送におけるCO2排出量を算出する仕組みがないため、物流事業者が荷主からCO2排出量の報告を求められた際に手計算で排出量を算出して報告する業務を軽減するため、ドライバーがSmartBarcodeを読み取り、簡単な情報入力を行うことで輸送時のCO2排出量を自動算出した。
併せて、荷待ち時間とCO2排出量の報告書を自動的に生成する仕組みも提供した。
(藤原秀行)