人材採用などに充当
生成AIを活用した完全自動運転車両の開発に取り組むスタートアップのTuring(チューリング)は7月1日、プレシリーズAラウンドの後半として15億円の資金調達を実施したと発表した。
総額45.38億円で同ラウンドを完了しており、創業以来の累計は約60億円に達した。今回は、元サッカー日本代表の本田圭佑氏らが創設した投資ファンド「X&KSK」や電通ベンチャーズ、KDDI、エイチ・アイ・エス(HIS)、日揮など11社が投資した。
(Turing提供)
チューリングは、カメラから取得したデータのみでステアリング、アクセル、ブレーキなど、運転に必要な全ての判断をAIが行うE2E(End-to-End)の自動運転開発に取り組んでいる。
自社開発の世界を理解するマルチモーダル生成AI「Heron」を活用することで、走行データに存在しない状況でも倫理的に対応可能なシステムを構築し、ルールベースでは到達困難な「レベル5」の完全自動運転実現を目指している。
今回調達した資金は前半ラウンドに引き続き、Heron専用の計算基盤として2024年秋の稼働開始を予定している大規模GPUクラスタ「Gaggle Cluster」の構築や、2025年に人間の介入なしで都内を30分間走行できる自動運転システムを開発するプロジェクト「Tokyo30」の実行、こうした取り組みを加速させるMLエンジニアを中心とした人材採用に充てる。
(藤原秀行)