製造現場で活用拡大見込む
大阪大学発のスタートアップでロボット開発を手掛けるThinker(シンカー)は7月1日、赤外線とAIを組み合わせた独自のセンシング技法により、カメラレスで物の位置と形を非接触かつ高速に把握できる近接覚センサーに防塵機能を備えた新製品「近接覚センサーTK-01G」を開発したと発表した。
ちりやほこりなどで汚れるリスクがある現場でも、ロボットによる多様かつ柔軟なハンドリングを可能にし、これまで導入が見送られてきた製造現場でも活用できるようになると見込む。
Thinkerの近接覚センサーのオリジナルモデル「TK-01」は、2023年8月の量産サンプル提供開始以来、800社以上から引き合いを得ているという。
現在は60社を超えるパートナー企業とともに実証評価に取り組んでいるほか、一部の企業では量産工程における試験導入も始まっており、実装への準備が進んでいる。
Thinkerは「近接覚センサーTK-01G」を提供することで、より多様な現場への導入を進められると期待している。
近接覚センサーはティーチング(ロボットに作業を教え込む工程)の時間や労力を大幅に軽減できるため、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用も期待される。Thinkerは昨年8月にオリジナルモデル「TK-01」の量産サンプルの提供を開始していた。
近接覚センサーTK-01
動く対象物をセンシングすることで把持部が追従する
(藤原秀行)※いずれもThinker提供