普及へ基盤整備進む
自動運転車が公道を走行する上で必要なルールを整備する改正道路交通法が5月28日、衆院本会議で可決、成立した。
一定の条件下でシステムが運転するが緊急時は人間が操作する「レベル3」の自動運転を想定し、その定義を明文化。ドライバーがトラブル発生時などにすぐ運転を代わることができる状態なのを条件として、今は禁止されている運転中のスマートフォンや携帯電話の操作、車載テレビでの番組視聴を認める。
ドライバーには今後も交通ルールを順守することが義務付けられ、飲酒は引き続き禁じられる。
自動運転に関しては、実用化に向けてさまざまな安全基準を定める改正道路運送車両法も5月17日に成立済み。自動運転装置に組み込まれているプログラムの変更が安全かどうかを国が事前に確認する仕組みを新たに設けるなど、車両の設計・製造から使用まで広範囲にわたり安全性の確保に努める。
政府は2020年をめどにレベル3の自動運転を高速道路で実用化することを目指しているほか、車両にドライバーが乗っていない「レベル4」も過疎地など限定で実現したい考え。両法の成立で技術開発などを後押しする。
(藤原秀行)