藻場再生とブルーカーボン事業への貢献目指す
日本郵船は7月25日、ウニ畜養事業を展開するオランダのUrchinomics Group(ウニノミクス・グループ)株式を100%保有するVerdant Bloom(ヴェルダント・ブルーム)に出資すると発表した。7月24日付で契約を締結した。具体的な出資額は開示していない。
海の生物多様性を支える藻場の再生と海藻・海草のCO2吸収・削減による温暖化防止への貢献を目指す。
海洋の浅瀬に海藻が群生する藻場は、小魚をはじめとした海洋生物の隠れ場所や産卵場所などの生活の場になっていると同時に、光合成を通して大気中のCO2を吸収・貯留する「ブルーカーボン」として注目を集めている。
その一方、増え過ぎたウニが海藻を食べつくし、藻場が枯れる「磯焼け」が近年社会問題となっている。増殖したウニは飢餓状態にあり身が詰まっておらず、食用に適していないため採取も行われていないのが実情。
磯焼けした海の様子
ウニノミクスは国内外の複数拠点で増え過ぎたウニを採集し、天然由来の飼料を与えて食用に適したウニへ畜養する。畜養したウニは食用として販売、その利益は一層の事業拡大を通じてウニの除去や藻場の回復に還元する計画。
ウニ畜養事業の循環型ビジネスモデル
日本郵船の栁澤晋一執行役員(左)とVerdant Bloomのジレス・キャッドマンCEO(最高経営責任者)(いずれも日本郵船提供)
(藤原秀行)