大和ハウス、大阪湾岸部で11.6万㎡のマルチ型冷凍・冷蔵物流施設が竣工

大和ハウス、大阪湾岸部で11.6万㎡のマルチ型冷凍・冷蔵物流施設が竣工

8.6万㎡の2棟目も着工、需要増に対応

大和ハウス工業は7月30日、大阪市此花区で3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)に対応可能なマルチテナント型物流施設「DPL大阪舞洲」が7月31日に竣工したと発表した。

併せて、7月15日に大阪市住之江区で全館に冷凍・冷蔵設備を導入したマルチテナント型物流施設「DPL大阪南港Ⅰ」の工事を始めたことも公表した。2棟とも冷凍食品から乳製品、野菜まで幅広い食品を取り扱えるようにする。

「DPL大阪舞洲」は地上8階建てで、このうち3階と8階は駐車場や従業員休憩スペースとして使う。延床面積は11万5989㎡で、最大27社のテナント企業が入居できる設計を採用している。大規模区画から小区画(約3000㎡)まで、企業の規模や用途に応じて柔軟に利用できるようにしている。

「DPL大阪南港Ⅰ」は地上5階建て、延床面積は8万5799㎡を予定しており、1フロアを2区画に分割することにより、最小約6000㎡から賃貸できるようにする。最大10社のテナント企業が入居できる見通し。竣工は2026年7月を想定している。事業費は2棟で計約930億円と見積もっている。

新型コロナウイルス禍に伴う冷凍食品の需要増やフロン規制強化などを受け、今後もマルチテナント型の冷凍・冷蔵倉庫の需要が高まると分析。大阪湾岸部で2棟の開発に乗り出した。

いずれもトラックから積み荷を降ろすバースを2層構造にすることで、庫内温度を保てる仕様を採用。設備面ではメンテナンスや故障に備えて冷凍・冷蔵設備の2系統制御を取り入れている。

「DPL大阪舞洲」は8階層のうち1~4階で-25℃から5℃までの温度管理が可能。5~7階は常温倉庫として機能する。一方、「DPL大阪南港Ⅰ」は1階が5~8℃、2~5階で-25℃から0℃までの管理ができる冷凍・冷蔵倉庫とする構想を立てている。

2棟はともにトラックや貨物船によるコンテナ輸送に適しているのに加え、従業員の確保にも優位性を持つ立地。高速道路のインターチェンジに近く、名古屋市まで約2時間30分(約180km)でアクセスできるなど広域輸送拠点として機能させることが可能。

国際物流ターミナルが整備されている大阪湾に近接し、関西国際空港と神戸空港も利用できるため、陸・海路・空のそれぞれのモードを使えると見込む。

「DPL大阪舞洲」は、阪神高速湾岸線の湾岸舞洲ICから約1.5kで、トラックによる広域輸送拠点としても機能させることができる。施設の北側にはJR大阪環状線の西九条駅から運行している大阪シティバスの停留所・舞洲東があり、施設で働く従業員の通勤環境も整っているとみている。

「DPL大阪南港Ⅰ」は、大阪市内から約10km圏内に位置し、阪神高速湾岸線の南港中ICより約1km(約2分)、南港南ICより約1.1km(約2分)と高速道路へのアクセスに強みがある。

Osaka Metro南港ポートタウン線の南港口駅から約100mと近く、施設で働く従業員が公共交通機関を使って通勤できる。

■建物概要

(藤原秀行)※いずれも大和ハウス工業提供

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