作業時の音が静か、振動少なくドライバーの疲労軽減も見込む
三菱ふそうトラック・バスは7月29日、国内初のEV(電気自動車)ダンプ小型トラックを鹿児島県で納入したと発表した。
電気小型トラック「eCanter」新型モデルのダンプ車の初号車は、新明和工業(兵庫県宝塚市)が架装を担い、7月29日に建設会社の福尚(鹿児島県指宿市)に納車した。
2023年3月に発売した新型「eCanter」は従来モデルから架装バリエーションを拡大し、ダンプ架装を新たに追加。新型モデルはモーター駆動の動力取り出し装置「ePTO」をオプションで搭載し、車載リチウムイオンバッテリーから「ePTO」を通じて動力を架装側に伝達することで、ダンプ、キャリアカー、脱着車、リヤクレーンなどの架装に対応できるようにしている。
(三菱ふそう提供)
「ePTO」 はディーゼル車の動力取り出し装置と同等の性能を持つため、「eCanter」ダンプ架装専用の新たなシステムの開発が不要。福尚は、車両総重量(GVW)6tクラスでSバッテリー・標準キャブモデルの新型「eCanter」ダンプ車を採用した。
「eCanter」は普通充電にも対応し、Sバッテリーサイズ・標準キャブモデルの1充電当たりの航続距離は116km(国土交通省審査値)。日々の市街地での輸送や稼働に十分な走行距離を提供できると見込む。
福尚が導入した「eCanter」ダンプ車は、今後、指宿市内の建設業務に投入する予定。
「eCanter」ダンプ車は荷台の上げ下ろしの際にエンジンを回転させる必要がなく、架装側への動力は全て電気駆動のモーターで伝達するため、ディーゼルエンジンのダンプ車と比較して音が静かという特性がある。
優れた静寂性により、建設や工事などで、住宅街などで周囲の騒音や環境に配慮した作業が可能。振動が少ないことから、ドライバーの疲労も軽減できるメリットがあるという。
(藤原秀行)