中企庁が調査結果で実名公表、メーカー子会社は高評価目立つ
※物流企業はアサヒロジが抜けていましたので、追加いたしました。深くおわび申し上げます
経済産業省中小企業庁は8月2日、下請振興法に基づき、中小企業との取引に関する価格交渉やコストアップ分の価格転嫁の実施状況に関する調査結果をまとめた。
今年3月の「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査で、業務を受注している中小企業10社以上から主要な取引先と名前を挙げられた290社のうち、交渉に応じているかどうかなどの「価格交渉」は、家電量販大手のエディオン、住宅の設計・施工などを手掛ける一条工務店、戸建て住宅のタマホームの3社が4段階の評価で最低となった。
コスト上昇分のうちどの程度取引価格に転嫁したかの「価格転嫁」が最低評価の企業は、昨年9月実施の前回調査と同じくゼロだった。
290社の中で物流企業は物流子会社を含めて21社が名を連ねており、価格交渉は4段階で最良の評価を得たのが日鉄物流、日本郵便、全農物流、三菱ケミカル物流、王子物流、いすゞロジスティクス、山九、日本郵便輸送の8社だった。
価格転嫁は日鉄物流、三菱ケミカル物流、王子物流、いすゞロジスティクス、山九の5社が上から2番目の評価となった。総じてメーカーの物流子会社の高評価が目立った。
半面、ヤマト運輸と西濃運輸、アサヒロジの3社は価格交渉と価格転嫁がともに下から2番目の評価にとどまった。ヤマトは前回調査から変動がなく、西濃は前回調査から価格交渉が1段階悪化した。
中企庁による実名公表を受けて状況が改善している企業もあるが、まだ価格転嫁交渉に消極的な姿勢を続けている物流企業も少なからずあることを懸念させる内容となった。
調査結果を公表したのは4回目で、調査は今年3月に実施した。中小企業との価格交渉や価格転嫁が適正に行われるよう促すのが狙い。
価格交渉と価格転嫁がともに最も高い評価だったのはコマツや日立造船、鹿島道路、デンカ、日本工営など13社だった。
ヤマト運輸(77) ウ・ウ(ウ・ウ)
日鉄物流(13) ア・イ(ウ・ウ)
日本郵便(20) ア・ウ(イ・ウ)
★福山通運(13) イ・ウ
★日本梱包運輸倉庫(14) イ・ウ
★アサヒロジ(11) ウ・ウ
全農物流(13) ア・ウ(ウ・ウ)
★三菱ケミカル物流(12) ア・イ
日本通運(73) イ・ウ(イ・ウ)
★王子物流(13) ア・イ
★いすゞロジスティクス(11) ア・イ
★鴻池運輸(14) イ・ウ
トランコム(20) イ・ウ(ウ・ウ)
上組(14) イ・ウ(ウ・ウ)
★ロジスティード東日本(11) イ・ウ
西濃運輸(27) ウ・ウ(イ・ウ)
山九(17) ア・イ(イ・ウ)
★丸全昭和運輸(10) イ・ウ
佐川急便(94) イ・ウ(イ・ウ)
日本郵便輸送(18) ア・ウ(イ・ウ)
★セイノースーパーエクスプレス(10) イ・ウ
(藤原秀行)