三菱ふそう、バッテリー交換式EVトラックの公道実証をヤマトや米スタートアップと開始

三菱ふそう、バッテリー交換式EVトラックの公道実証をヤマトや米スタートアップと開始

京都市内にステーション設置、普及拡大図る

三菱ふそうトラック・バスは8月9日、ヤマト運輸と連携し、バッテリー交換式の電気自動車(BEV)トラック「eCanter(eキャンター)」の公道実証を開始すると発表した。


実証に用いるバッテリー交換式「eCanter」の車両とAmpleのバッテリー全自動交換ステーション。左がヤマトの使用車両(プレスリリースより引用)

EV向け電池交換システムを手掛けている米スタートアップのAmple(アンプル)製交換モジュールを装着した三菱ふそうのeCanterを使用。京都市内に設置したAmpleのバッテリー全自動交換ステーションで、ENEOSホールディングスと連携してバッテリーを取り換える。eCanterはヤマト運輸が京都市内で行う集配業務に投入する。

バッテリー残量が少なくなったeCanterがバッテリー全自動交換ステーションに入庫すると、ロボットが自動でバッテリーを交換する。交換時間は5分を目標に設定している。

各社は利用時のメリットと課題を洗い出し、技術の拡張性を確認した上で、実用化を目指す。

三菱ふそうはバッテリー交換式EVトラックを商業化し、従来のディーゼル小型トラックに匹敵する多様な用途への対応をEVトラックでも可能にし、物流領域の脱炭素化を後押ししていきたい考え。

交換式バッテリーは技術の進化に合わせて最新の物を導入すれば、ユーザーは常に最先端のバッテリーを利用できると見込む。今回の実証はダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジアがeCanter専用リース商品「FUSOグリーンリース」を用いて、バッテリー交換式EVトラックのビジネスモデルの検討も担う。

FUSOグリーンリースは車両整備や保険、パートナー間の契約関係、車両登録、月々の支払い形態といった、包括的な金融ソリューションを提供する。

Ampleのバッテリー全自動交換ステーションは、EVトラックに加えて、乗用車と共用できる点が強みとなっている。Ampleのバッテリー全自動交換ステーションをEV向けバッテリー交換のインフラとして定着させることで、ゼロエミッション車両の普及を加速させられると見込む。

(藤原秀行)

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