ダイアログ調査、しかし半数は「それでも同じWMS使い続けた」
ダイアログは8月22日、WMS(倉庫管理システム)選定の失敗経験がある運送・輸送業の会社員111人を対象に実施した調査結果を取りまとめた。
WMS導入で失敗したと感じたことは、取引先や現場との連携不足を挙げる人が最も多かった。半面、その半数が失敗したと感じても、リプレイスに費用が掛かることなどを理由に同じWMSを使い続けたと回答しており、慎重に選定する必要性が浮き彫りになった。
調査名称:WMS選定の失敗に関する実態調査(ダイアログ ウェブサイトはコチラ)
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年3月14~18日
有効回答:WMS選定の失敗経験がある運送・輸送業の会社員111人
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある
WMS導入に関して、失敗したと感じたことを訪ねたところ(複数回答可)、「取引先や現場との連携が取れていなかった」が39.6%でトップ。「現場のニーズと機能が合っていなかった」(37.8%)、「WMSの機能が自社のサービスに合っていなかった」(32.4%)と続いた。
WMSの導入に失敗した要因を聞くと(複数回答可)、1位は「現場側の意見を取り入れていなかった」と「既存システムとの相性を考慮できていなかった」がともに42.3%でトップ。「情報収集が不足していた」は41.4%に達した。
導入失敗の要因について自由に回答してもらったところ、「操作方法の難しさ」や「顧客ニーズに対するカスタマイズ」、「自社現場と顧客のコミュニケーション不足」などが並んだ。
WMSの導入失敗でどのようなしわ寄せがあったかについては(複数回答可)、首位が「出荷ミスや遅延の発生」(49.5%)で、その後は「業務フローの複雑化」(37.8%)、「業務効率の低下」(36.0%)などが目立った。
WMS選定を失敗したと感じた際、どのような対応を取ったか聞いたところ、「そのまま使い続けた」が54.1%で、「使わなかった」の22.5%、「リプレイスを行った」の23.4%を大きく上回った。
この設問で「そのまま使い続けた」と回答した60人にその理由を質問した結果(複数回答可)、「リプレイスには高い費用がかかるため」が65.0%、「リプレイスのための情報収集が面倒だったため」が38.3%、「組織の変化や成長に伴い、システムが将来的には適切になると考えたため」が30.0%となった。
一方、「そのまま使い続けた」「使わなかった」と回答した85人に、勤務先で今後WMSのリプレイスを検討しているかどうか確認したところ、「はい」が75.3%、「いいえ」が11.8%となった。
「リプレイスを行った」と回答した26人に、リプレイスを検討した際、システムの選定で重視したことを聞くと(複数回答可)、「機能と現場のニーズの一致」が61.5%、「機能と自社サービスとの適合性の高さ」が50.0%、「サポート体制」が42.3%と続いた。
同じく「リプレイスを行った」の回答を寄せた人に、リプレイスを検討した際、システムの選定で特に参考にした情報を上位2つ選択してもらったところ、「導入実績」が57.7%、「導入している会社のサービス提供領域」が42.3%、「サポート体制」が38.5%などとなった。
(藤原秀行)※いずれもダイアログ提供