小売店にカップめんの値上げ強要した日清食品「独禁法違反の疑い」と警告★続報

小売店にカップめんの値上げ強要した日清食品「独禁法違反の疑い」と警告★続報

公取委、「カップヌードル」など5種類

公正取引委員会は8月22日、カップめんの店頭販売価格を指定した水準まで値上げするよう小売業者に強要したのは、独占禁止法で禁じている「再販売価格の拘束」に該当する疑いがあるとして、日清食品にこうした行為を取りやめ、今後も実施しないよう警告した。

対象となったのは「カップヌードル」「カップヌードルシーフードヌードル」「カップヌードルカレー」「日清のどん兵衛きつねうどん」「日清焼そばU.F.O.」の5種類のレギュラーサイズ。

独禁法はメーカーが小売業者に商品を提供する際、販売価格の自由な決定を拘束することなどを禁じている。

公取委によると、日清食品は2022年2月以降と23年2月以降の2回にわたり、全国の食品スーパーやドラッグストアなどに対して、同社が設定、提示した水準まで店頭販売価格を引き上げるよう要請していた。

特売の際も同様に価格を設定し、小売業者には値上げに応じれば、セール時の値下げ分は日清食品側で負担することを持ちかけていた。小売業者の多くは日清食品の要請に従っていた。

日清食品の担当者が実際に店舗を訪れ、陳列棚の値札やレシートをチェックし、要請通りの店頭販売価格に設定しているかどうかを確認、守っていないと判断すれば再度小売業者に要請していたという。

日清食品は8月22日、「今回の警告を重く受け止め、法令順守の体制をより強固なものにするべく改善に取り組んでまいります。お客様やお取引先様をはじめ関係者の皆さまに、ご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを、深くおわび申し上げます。今後は、このような警告を受けることがないよう、法令順守を徹底する所存です」と謝罪するコメントを発表した。

独禁法違反を許容しない旨のメッセージを社内に向けて発信し、営業活動や教育体制、監査モニタリングなどの改善策を講じると強調している。

(藤原秀行)

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