過酷な環境でも活躍できるクローラ式機体開発を強化、物流システムとの連携も
舗装されていない未整備な土地「不整地」で活動できるロボットの開発などを手掛けるCuboRex(キューボレックス、東京都葛飾区東新小岩)は8月22日、総額2.5億円の資金を調達したと発表した。
DRONE FUND3号投資事業有限責任組合、マブチモーター、レアゾン・ホールディングス、ユナイテッド、NOBUNAGAキャピタルビレッジ、ASAアドバイザリー、MIRAISE、複数の個人投資家を引き受け先とする第三者割当増資を実施した。
昨年実施したDRONE FUND、しんきんーやらまいか投資事業有限責任組合、おきなわイノベーション創出ファンド、その他の投資家を引き受け先とする約1.9億円の資金調達、日本政策金融公庫からの約1億円の資本性ローンの借り入れも合わせると、創業以来の累計調達額は約6.3億円に達した。
CuboRexは運搬一輪車電動化キット「E-cat kit」など、あらゆる現場で運搬をアシストするソリューションを手掛けている。新たな展開として、ENEOSグローブと共同開発した「らくらくエネキャリー」など、特定の業界に特化した運搬車を大企業と協力して生み出す取り組みを始めている。
調達した資金は自動搬送システムの開発加速に充てる。
具体的には、まず不整地や過酷な環境下でも高い走行性能を持ち、自律的に搬送作業を行うことが可能な「クローラ式AGV(自動搬送ロボット)」の開発を進める。同社のクローラ走行技術は、一般的な自動搬送ロボットが対応できない環境でも走行できるよう斜面や段差に強く、屋内外での運用が可能で、こうした技術を「強いアシコシ」と自称している。
多くの現場に強いアシコシを搭載したAGVを提供するため、各業界のインテグレーターとの提携を進める。
また、自社単独の取り組みにとどまらず、他社との技術連携によって、より高度な搬送システムの実現を図る。複雑な環境にも柔軟に対応できるロボットを実用化し、労働力不足や安全性向上への貢献を図る。
既存の物流システムと連携し、トータルソリューションとしての提供を可能にすることも視野に入れている。
(藤原秀行)