山梨・北杜の工場倉庫、12月以降の実稼働目指す
コカ・コーラ ボトラーズジャパンと豊田自動織機は9月10日、「コカ・コーラ ボトラーズジャパン白州工場倉庫」(山梨県北杜市)で、豊田自動織機が開発した国内初の4本フォークタイプのトラック荷役対応自動運転フォークリフトの実稼働を目指し、9月に実証実験を開始したと発表した。
トラック荷役対応自動運転フォークリフト(4本フォークタイプ)
飲料業界はフォークを2つのパレットに同時に差し込んで荷役・搬送することが多く、その際に使用する4本フォークタイプのリフトを完全自動運転することを目指している。
新技術導入により、有人作業で行っていたフォークリフトの運転やトラックへの積み込み作業を完全無人化することが可能となった。
今後は12月以降に白州工場倉庫で実稼働させることを念頭に置き、両社で検証を重ねていく方針。
白州工場倉庫は製品を製造してから倉庫に保管するまでの工程を自動化するなど自動倉庫化を進めており、自動運転フォークリフトが本格稼働すれば、製品を製造してからトラックに積み込むまでの全工程を自動化できると見込む。
フォークリフトの操作は数cm単位のずれが作業に影響するため、人の経験や感覚に頼る部分が多いのが現状。そのため、欠員が出ると人材育成に時間を要することがあるほか、夜間の有人作業は人員確保が特に難しく、繁忙期や夜間の出荷体制に課題を抱えている。
両社は2023年、飲料業界に対応した4本フォーク自動運転リフトの実用化、ならびに安定的な出荷体制の構築を図ることを目的に検討を開始していた。
■トラック荷役対応自動運転フォークリフトの概要
自己位置検知・誘導用のインフラ※2を設置しない環境下におけるトラックへの自動荷役を可能にする「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」。
①積み込み・積み下ろしの位置を把握
AIを搭載し、3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、画像認識・ディープラーニングを活用したマーカーなどの目印が不要なパレット位置・姿勢検出。
②走行経路を自動生成
荷役位置を自動フォークリフトが自ら判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成することで、トラックの停車位置が一定でない状況下でも自動で荷役をすることが可能となり、パレット間の隙間も有人作業と同様のレベルで、積載効率を落とすことなく、トラックへ積み込みすることを実現。
(藤原秀行)※いずれも両社提供