ホンダ発で砂漠の砂から人工骨材生み出すスタートアップが総額1.36億円調達、海外で道路舗装に活用目指す

ホンダ発で砂漠の砂から人工骨材生み出すスタートアップが総額1.36億円調達、海外で道路舗装に活用目指す

天然骨材使用時より長寿命化可能に、ライフサイクルのコスト低減も

ホンダの新事業創出プログラム「IGNITION」(イグニッション)発のスタートアップPathAhead(パスアヘッド、東京都港区三田)は4月28日、インキュベイトファンドがリード投資家を務め、サイバーエージェント・キャピタル、ホンダを引き受け先として総額1.36億円の資金を調達したと発表した。


(PathAhead提供)



PathAheadは世界初となる砂漠の砂を活用した人工骨材「Rising Sand」(ライジングサンド)を開発した。代表取締役の伊賀将之氏がホンダの材料研究センターで11年間にわたり培った素材研究・自動車向け鋼板開発の知見を建設領域に応用している。

昨今の世界的な建設需要の拡大により、道路舗装に不可欠な「天然骨材(砂・砂利)」の不足が深刻化している一方、無尽蔵に存在する砂漠の砂は、粒径や形状の問題から建設資材としての活用が難しく、未利用のまま放置されていた。

特にアフリカ地域では、急速な経済発展の裏で道路舗装率が約20%と低水準にとどまっており、産地によって強度がばらつく天然資源に依存しているため舗装済み道路の劣化も進み、物流コスト上昇などの経済損失につながっている。

独自技術を使い、100μm程度の微細な球状の砂漠の砂を数十mm単位の粒径へと均一に造粒。従来の天然骨材と比較して約2.5倍の耐久性を有し、一般的な天然骨材道路の耐久年数(約10年)を大幅に上回る、20年以上の長寿命化を実現できるという。

道路修繕の頻度を低減することで、ライフサイクルコストを従来の約60%まで抑制することが可能と想定。砂漠の砂など現地調達可能な資源を用いることで、天然骨材と同等の価格で提供することを目指す。

事業化の第一歩として、2027年にケニア、タンザニア、南アフリカの3カ国で約3年間の実証実験を開始する予定。現地の気候や交通条件を踏まえた施工性・耐久性の検証を行い、量産に向けた仕様の確立を図る。



その後、28年にケニアで自社工場を設立し、アフリカ地域の建設事業者向けに「Rising Sand」を安定供給する体制を構築する計画。

(藤原秀行)

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