動態管理で蓄積した運行データ活用、非効率な案件の改善提案
Hacobuは9月10日、新たな共同輸配送支援サービス「MOVO X-Data(ムーボ・クロスデータ)」の提供を開始したと発表した。
同じくHacobuが手掛けている車両動態管理サービス「MOVO Fleet」で蓄積した運行データを基に非効率な運行や車両を抽出、改善案を提示することで物流の効率化を図る。さらに、拠点間や企業間をまたいだデータ連携を可能にし、効率的かつ迅速な共同輸配送の検討を後押しすることで、物流コストの大幅な削減やCO2排出量の低減につなげられると見込む。
第1号プロジェクトとして、三菱食品とHacobuが実証実験を展開。三菱食品が全国で運用する3000台のトラックを対象に、拠点間での共同輸配送を推進し、車両削減およびCO2排出量削減を目指す。将来は他の企業との共同配送を実現していきたい考えだ。
従来の共同輸配送は多くの場合、配車担当者へのヒアリングなどのアナログな方法や、一度の固定的なデータ分析に基づいて実施されるケースが多く、季節変動などに柔軟に対応できないのが実情だった。
MOVO X-Dataは蓄積した運行実績データを活用することで、より実情に合った効率的な共同輸配送を実現できるようにしている。
課題のある運行は、短い稼働の運行同士の組み合わせや、帰り便の活用など、様々なパターンで改善を提案することを想定している。
新サービスのイメージ
Hacobuは三菱食品とパートナーシップを結び、運行データの効果的な活用に向けた取り組みを進めてきた。三菱食品は、全国で物流パートナーのトラックに段階的にMOVO Fleetの導入を開始し、2024年度中には3000台に展開が完了する見込み。
今年2月にはMOVO X-Dataのプロトタイプを使用した実証実験を開始。ユーザー視点でニーズ抽出を進めてきた。その結果、時間、場所、頻度といった要素を基に、膨大な運行実績データから組み合わせ候補を抽出し、拠点間で配送コースを効率的に再構成することが可能になったと判断した。
今後は、MOVO Fleet以外のMOVOシリーズおよび外部サービスのデータ活用、分析の精度向上や多様なニーズへの対応などを通じて、より多くの企業が利用できるサービスに進化させていく方針。
(藤原秀行)※いずれもHacobu提供