24年第4四半期に輸送能力へ160億円超を投資、低排出輸送への移行促進
DHLグループは9月12日、年末の繁忙期におけるエクスプレス輸送の需要増に備え、輸送・貨物処理能力を増強すると発表した。
第4四半期(10~12月)に1億ユーロ(約160億円)以上を輸送・貨物処理能力向上のために投じる。
DHL Expressは航空貨物輸送機材更新の一環として、新たに8機のボーイング777貨物機の導入を開始する。
2024年に8.8%の成長が見込まれる世界のeコマース市場は、貨物量全体の伸びを牽引し続けており、B2Bの出荷量も徐々に回復していると指摘。グローバル経済の不確実性は継続しているものの、DHLは航空輸送能力を増強し、国際貨物の仕分けおよび配送ネットワーク拡充により、ピーク時の貨物需要を着実に取り込んでいきたい考え。
DHLグループはアジア・欧州間の太平洋横断路線および大陸間路線に、ボーイング777型貨物機8機を新たに投入する(DHLジャパン提供)
2024年第4四半期におけるDHLの航空輸送能力への投資には、大型および中型のワイドボディ機の追加導入と、既存の航空機による追加便の運航(特に大陸間路線)が含まれる。DHLは、特に中国発世界への輸送ルートで、ピークシーズンに今後大幅な貨物量の増加を見込んでいる。
新型のボーイング777貨物機8機を、アジア・欧州間の太平洋横断路線および大陸間路線に投入し、主要路線の輸送能力を増強するとともに、新型でより燃費効率の高い航空機の使用により、DHLの低排出輸送への移行を促進する。
コペンハーゲン、ケルン、パリ、アトランタ、ブリュッセル、イースト・ミッドランド(英国)などの航空施設のほか、地上ネットワークの追加処理および仕分け能力にも投資し、フライトスケジュールに関するより柔軟な対応と、需要の急増やサプライチェーンの混乱が発生した際に備えた貨物の迂回輸送を可能にする予定。
輸送能力向上への投資と並行して、DHL Expressは、排出量を削減した輸送サービスの長期的な取り組みに引き続き注力する。グローバルなネットワークにおける貨物機材の更新、新しく建設される物流施設へのカーボンニュートラルな設計の適用に加え、世界で初めて温室効果ガス排出量を削減する国際エクスプレスの輸送サービス「DHL GoGreen Plus」の提供を開始した。
ワールドエナジーやネステなどのSAF(持続可能な航空燃料)生産企業とのパートナーシップにより、自社エアネットワークにおけるSAFを活用してCO2排出量を削減するとともに、ブックアンドクレーム方式に基づき、達成された削減量(スコープ3)の証明書を、「DHL GoGreen Plus」を使って発送したユーザーに提供する。
(藤原秀行)